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『週刊がん もっといい日』編集部(株式会社日本医療情報出版)
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週刊がん もっといい日
2009年Vol.157
5月15日更新


Vol.157号の目次 『週刊がん もっといい日』編集部 山本武道からのメッセージ

@クローズ・アップ
『医療費削減政策を考える』
2回目『危険にさらされる患者たち』
東京大学医科学研究所
先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門
上 昌広
Medical Research Information Center (MRIC) メルマガから

09年5月8日更新内容 全記事はこちら

3名の1年生が入団した少年野球チーム、新しいチームづくりが始まりました

 4月、新しいランドセルを背負った一年生が入学し、本欄で時折紹介してきました少年野球チーにも、かわいい3人の選手が入団しました。
 今年3月、6年間にわたりチームを組んできた選手を卒業させた監督は、今度は1コーチに戻って土曜と日曜の8時半から午後3時まで、初めて野球を始めた小さな選手相手に、6年前のことを思い出しながらの基本練習に取り組み1か月半が経過しています。
 監督が執筆した『監督の独り言』には、選手との日々の触れ合いをノンフィクションで記していますが、初めて野球を経験する選手が、どうしたら楽しく、そして野球を好きになってもらえるか。昔取った杵柄で、少しずつ選手との信頼関係を築き始めています。
「よそ見をしているとボールが鼻に当たったときに、ボールが鼻の穴に入っちゃうから気をつけよう」―そんなことを言いながらキャッチボールをしている元監督。付き添いできているママさんたちにも、お手伝いをお願いしてバッティング練習、ゴロを取る練習・・・。      
 ただ今年は例年になく暑い日が続いていますので、元監督は小さな選手たちが熱中症にならないよう気を配る日々です。
 近いうちに体験入部(新しく選手たちを勧誘するため)を開催しますが、一人でも多くの将来プロ選手になるかもしれない選手たちの入団を首を長くして待っています。
「とりあえずは後6人くれば、一応試合は成立するなあ」―野球を知らない選手たちを指導しながら、もう試合のことを考える監督、いやコーチです。
 さて今週もまた、皆さまにとって「もっといい日」でありますように・・・。
 
『週刊がん もっといい日』編集部 山本武道

☆☆☆「週刊がん もっといい日」VOL.157☆☆☆

クローズ・アップ

『医療費削減政策を考える』
2回目『危険にさらされる患者たち』

東京大学医科学研究所
先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門
上 昌広

Medical Research Information Center (MRIC) メルマガから

Libby Zion事件:ニューヨークにおける患者安全対策の歴史的転換点

 1984年、ニューヨークの病院で、Libby Zionという18歳の女子大生が医療事故で亡くなりました。彼女はフェネルジンという抗うつ剤を飲んでいましたが、発熱、ふるえ、脱水などのために両親に連れられ、救急外来を受診しました。
 担当した医師達はウイルス症候群と考えましたが、熱と強い興奮状態で暴れていたため、複数の治療薬とともにメペリジンも処方しました。メペリジンは鎮痛薬で、鎮静作用もあります。当初は治療が効いたようでしたが、早朝6:30に心肺停止となり死亡しました。

 はっきりした事実がわからず議論となったのは、Libbyがフェネルジンを飲んでいることや不法な薬物(特にコカイン)を使用したことを、担当となった研修医に告げなかったのではないかという点と、研修医がこれらの薬の相互作用を知っていたか否かという点です。実は、フェネルジンは、コカインとも、メペリジンとも相互作用が起きるため、併用してはいけないとされています。

 父親のSidney Zion氏は元検察官で、ニューヨーク市の有名な新聞コラムニストでした。彼は、病院に対して民事訴訟を起こし、大陪審に刑事事件として起訴するか検討するよう働きかけました。1986年、大陪審は様々な議論の末、不起訴を決定したものの、薬のレファレンスシステム(現在は、薬剤師が夜間・休日も病棟ごとに交代制で常駐し、薬の量や併用などに関する医師からの質問に答える体制となっています)、コメディカルの人数、研修医の勤務時間などについて、病院体制に問題があると報告しました。
 Libbyが入院した際の担当医は、そのとき既に18時間以上、働きっぱなしの状態だったのです。1995年、民事訴訟では、コカインによる死亡という主張も、誤投薬による死亡という主張も受け入れられず、Libbyが医師にコカインや処方薬(フェネルジン)を飲んでいることを告げなかったことと、医師達がメペリジンを処方したことについて、
Shared Blameとなりました。解剖結果は急性肺炎で、検死局(Medical Examiner)は、死因は両側の気管支肺炎であると報告しています。

 Libbyの死亡から5年後の1989年、ニューヨーク州は、患者の安全のために(医師の労働環境改善のためではありません)研修医の勤務時間を制限することを決めました。2億ドルの予算を投入し、患者安全のため、研修医の代わりに採血、点滴ルート確保、患者搬送などを行うコメディカルを増員し、医師の勤務時間を減らすことを病院に求めました。2001年には、この考え方が全米に受け入れられました(the Patient and Physician Safety and Protection Act)。

 しかし、このルールがあまり守られていないことが、長い間、議論されてきました。実は医師の勤務時間削減には、コメディカル増員のため経費が増える、夜中も同じ研修医が同じ患者を診なくなる、といった反対意見も多かったのですが、それでも「患者を危険にさらしている(Public Advocate for the City of NewYork)」「市民の命でルーレットゲームをしている(New York Daily News)」といった声のほうが強く、睡眠不足の医師に診療される患者の恐怖物語が相次いで報道されました。
 1999年、当直明けの医師が運転中に交通事故で亡くなる事件が起き、患者の安全のために医師の勤務時間短縮を求める声はさらに高まり、New York PostやNewsdayなどの紙面を飾りました。

 これは米国の話ですが、日本の状況はもっと深刻です。米国では若い研修医が問題になりましたが、日本では、すべての年齢層の医師が同じ問題を抱えています。40歳代では20歳代よりも注意力は落ちており、睡眠不足の状態での注意力は更に低下します。さらに驚くべきことに、25年前にLibbyの担当医が18時間以上起きていた状態で診療していたことが問題視されましたが、現在の日本では当直のたびに約36時間、睡眠をとらずに連続勤務することが常態化しています。

 日本の病院は「雑用が多い」と揶揄されています。厚労省までもが「病院に勤務する若年・中堅層の医師を中心に極めて厳しい勤務環境に置かれているが、その要因の一つとして、医師でなくても対応可能な業務までも医師が行っている現状がある」と通知を出しています。 
 厚労省に当事者意識のかけらも感じないのは毎度のことですが、この問題については、まだまだ国民的な議論が足りないと感じます。患者にとって、医師でなくてもできる業務を医師にさせるのがよいのか、コメディカルに任せるのがよいのか。医師を増員するのがよいか、コメディカルを増員するのがよいか、両方増員する必要があるのか。現状では、他に任せられる人がほとんどいないので、医師が残業しながらこなしているのです。

 日本の病院で、医師でなくてもできる業務を医師が行っているのは、医師をサポートするコメディカルの人数が極端に少ないからです。100床あたり病院従事者数は、日本では101人ですが、アメリカでは504人。これでは、同じ医療を提供する場とは言えません。政府による医療費削減政策によって、病院は必要な数の職員を雇用することができず、慢性的に人手不足の状態にあり、患者は危険な環境に置かれています。


看護師数・薬剤師数が多いほうが患者の安全性は高い

 看護師や薬剤師の人数が多いほうが、患者の安全性が高いことは世界の常識です。例えば、入院患者1日当たり看護師が1人増えるごとに患者の病院死亡率は、集中治療室で9%下がり、内科病棟で6%下がり、外科病棟で16%下がります。100床あたりの看護師数は、イギリス200人、アメリカ141人、イタリア136人、ドイツ75人(OECD Health Data 2007)。ところが日本は100床あたり34人、平均すると日本の看護師数は欧米のわずか約4分の1です。

 病院薬剤師についても、人数が多いほうが患者の安全性は高いことが知られています。病院薬剤師数と患者死亡率の相関関係には、統計学的有意差が示されているのです。ところが、100床当たり病院薬剤師数は、米国で9.77人に対し、日本は2.46人と、こちらも約4分の1です。
 従って、データの上では、日本の患者は、欧米の患者の4倍の危険にさらされている、あるいは、看護師・薬剤師の4倍の働きと注意力によって支えられていると言ってもよいかもしれません。

日本では「チーム医療」を行うだけのスタッフがいない
 何度か病院にかかった経験のある友人に、こう聞かれたことがあります。「米国では何人ものスタッフがチームで患者を診るのに、なぜ日本ではそうしないのですか?」答えは簡単です。「チーム医療」をしている(したい)のですが、米国ほどの人数がいないので、患者さんには「チーム」に見えないのです。

 前回ご紹介したとおり、愛知県がんセンター(473床)とテキサスのMDAnderson がんセンター(米国、456床)の100床あたり職員数は、それぞれ186人、3,125人と、実に17倍の違いがあります。1人のがん患者に対して、米国では17人の「チーム」が行う診療も、日本では1人の「チーム」で行わざるを得ません。
 日本の医療者は、1人で17人分の知識、技術、体力、注意力などを要求される環境に置かれているのです。たとえ17人分を要求されても、1人の人間には限界があります。このような環境で、危険にさらされているのは、患者なのです。

 米国で診療していた日本人医師は、「米国では看護師と薬剤師が投薬チェックをするため、薬の誤投与が患者にまで至った経験は幸運なことになかった。しかし日本では、互いに投薬チェックするような看護師や薬剤師は存在しないため、薬の誤投与は日常茶飯事だ」と言います。ほとんどの場合は、便秘の薬など生命に関わらない薬ですが、看護師・薬剤師などのコメディカルが手薄な環境に入院しているということが、患者にとってどれほど危険なことか、おわかりいただけるでしょうか。


医療事故の原因究明と安全対策のために

 医療事故を減らすには、実際に起こった医療事故の原因調査と再発予防が重要です。このため、厚労省は医療事故調査委員会(医療事故調)の設立を目指しています。このことは様々なメディアで報道されているため、ご存じの方が多いでしょう。私も、この問題に関心をもっていますが、この件ほど、厚労省が駄目だと感じたことはありません。厚労省が考えている案は、世界標準とはかけ離れ、役人の利権拡大が見え隠れします。

 「医療事故の真相を究明し、再発防止をはかる」という厚労省が掲げる目的には、私は心から賛同します。ところが、厚労省は解決すべき問題の優先順位を間違えています。患者の安全性向上を本当に考えるなら、真っ先にやるべきことは病院コメディカルの雇用人数を増やすことです。これは冒頭にご紹介した米国が、長い議論の末、落ち着いた結論と同じです。

 また、厚労省が提案している医療事故調の制度設計は不適切です。現在、厚労省は、医療事故の厚労省への強制届け出、同委員会での真相究明(委員の人選は厚労省)、行政処分・刑事処分への転用を目指しています。しかしながら、こんなことをしてもわが国の医療は安全にはなりません。
 既に1人17人分の注意力を要求されている医療者に、「あなたの注意が足りなかった」「注意義務違反で処分する」といった責任追及システムを作ったところで、今まで以上に「注意する」ことは不可能です。むしろ、責任追及をおそれる医療者が隠蔽に走るという
弊害ばかり大きくなる可能性が大です。そうなれば、医療事故の原因究明は遠ざかります。ちなみに、鉄道であれ、航空機であれ、事故調査と責任追及を連動させる国は、わが国以外に例を見ません。

 また、患者・遺族が真相を知る権利と行政の介入は分けて議論すべきです。医療事故調査の結果を患者・遺族に正直に伝えることを義務化し、刑事告発、民事訴訟、あるいは行政処分申請は彼らの判断に任されるという制度設計もありえます。むしろ、この制度の方が世界標準であり、厚労省ではなく、市民の権限を強化することが出来ます。


どうやって医療の安全コストを調達するか

 ところで、厚労省が決めた、患者の安全のための医療費の値段はいくらだと思われるでしょうか?「厚生労働省は、一体医療安全にいくらお金をつけているか。1患者1入院当たり500円ですよ。平均在院日数14日とすると1日37円」。これでは、患者の安全のために必要な病院スタッフの人件費には到底足りません。
「(院内の事故調査を)やりますけど、もうちょっと考えていただいたほうが良いのではないか」と、埼玉医科大学総合医療センターの堤晴彦氏が、厚労省の第15回「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」(平成20年10月31日)で述べています。

 医療を安全にするためにはお金がかかりますが、わが国の医療安全対策への投資が極度に不足していることがわかります。では、どうやって資金を確保すべきでしょうか?どの程度の金額を、誰が負担するか、まさにこれが問題です。ところが、この問題は、これまで議論されてきませんでした。

 ところで、わが国の医療は、「プラスアルファの医療費を払いたい人も払ってはいけない」という不思議なルールを採用しているのはご存じでしょうか。もちろん社会保障として、政府が保障する医療保険は必要ですが、それに上乗せして払う一部の人がいれば、安全性向上という恩恵を全員が受けることができるでしょう。
 飛行機のビジネス・クラスをモデルに説明した社会システムデザイナー 横山禎徳氏の文章がわかりやすいのでご紹介します。(横山禎徳 現場からの医療改革推進協議会:「社会システム・デザイン・アプローチによる医療システム・デザイン」2)

(以下、引用)
 「システムにお金が入ってくるとどのような良循環が生まれるかということを考えるために、航空業界を例に取ってみましょう。「ビジネス・クラス」の発明が良循環を生んだのです。1970年代初頭の航空業界というのは最悪の状況でした。747などのジャンボ機が導入されましたが、集客に自信がなく、ディスカウントをすることに走り、各社ほとんど赤字の状況で、機材更新のための投資が出来そうにありませんでした。従って、飛んでいる飛行機の寿命が30年を超えるという状況になりそうでした。数年前、某航空会社の30年物の747が空中分解したように、やはり、30年を超えると安全性に問題があります。70年代の航空業界は大変なことになるという予測でした。ところが、70年代の半ばから後半にかけて航空業界は「ビジネス・クラス」という画期的なサービスを発明しました。
 これは、フル・フェアを払ってくれる企業が相手です。個人のように安く飛びたいから「ちょっとまけてよ」とはあまり言いません。料金をサービスの質に応じて定価どおり払ってくれます。航空業はお客が定価どおりに払ってくれれば儲かります。個人客の多いエコノミー・クラスはほとんどディスカウントしているから儲からないのです。企業相手であればフル・フェアであるということです。そこがミソであって、だから「ビジネス・クラス」と言ったわけです。
 これは、予想以上に当たって、急速に航空業界は潤いました。そのおかげで最新鋭機の開発が進みました。すなわち、第四世代の機材と言っていますが、767、777、747-400、737-700、737-800と続々ボーイング社から出てきました。エアバスも最初のA300というのはそうではないのですが、エアバス320、319、330、340を含めて全部が第四世代の機材です。
 皆さんご承知ではないと思いますが、驚くべきことに2000年から今日(2007年11月)まで先進国のエアラインにおいて第四世代の飛行機での死亡事故はテロ以外、今の所ゼロです。その位安全性が保たれています。確かに機材破損事故は結構あります。この間も、先進国かどうかの定義の問題はありますが、台湾の中華航空の737−800が燃えましたが、あれも死亡者ゼロです。だから、やはりお金がシステムに入ってくると安全性が高まるのだということです。
 貧乏人は古い飛行機に乗りなさい、「ビジネス・クラス」の客以上は最新鋭の飛行機に乗せますということはありません。当たり前のことですが、そういう差別はできないし、ないのです。747-400というのは非常に安全性の高い機材なのですが、ファースト・クラスやビジネス・クラスの客だけではなくエコノミー・クラスの客も、安売りチケットの客も含めてどんなタイプの客でも皆乗っています。全く同じような意味で、医療システムの中にお金が入って来て、みんなが潤うという良循環を作り出すことが大事なのです。
 医療システムにお金が入るということは結局、年寄りも若者も、貧乏人もお金持ちも全部含めて皆が得をするのだと発想すべきです。」(引用終わる)

 では、なぜ厚労省は、プラスアルファの医療費を払いたい人までも、払うことを禁止するのでしょうか。それは、病院が自らの努力で収入を得る道を閉ざして、赤字ぎりぎりの状態にしておいたほうが、厚労省にとって有利だからです。
 病院は生き残るために必死で補助金収入を得ようとしますから、厚労官僚が作る補助金事業に無批判に従ってくれます。補助金は規制と表裏一体ですから、官僚はたやすく権限を拡大することができます。まるで、官僚が権限拡大するために、国民・患者を危険にさらしているかのような構造です。
 官僚が、この構造を意識しているか否かは別として、彼らの置かれた立場を考えれば合理的な対応です。国民への情報公開が不十分な官僚統制では、しばしば起こる事態のようです。おそらく旧ソ連や東欧の末期は同じような状況だったのでしょう。

 厚労省は、さらに不可解なことに、医療機関が自らの努力で、患者が払う金額を軽減することも禁止しています。4月15日、札幌のNPO法人と歯科医院が連携し、患者の診療費の窓口負担分を実質無料にしていることは、患者本人にも医療費を負担するよう求めている健康保険法に違反しているとして、厚労省が監査に入ったと報じられました(共同通信)。今後、保険医療機関の指定取り消しなどに踏み切る可能性もある(読売新聞)とのことですが、そうなれば保険を使うことができなくなり、患者にとっても医院にとっても致命的な打撃を受けます。なぜ厚労省は、患者負担分の割引を禁止するのでしょうか。周囲の医療機関の経営を圧迫するからでしょうか。

 ちなみに、厚労省は民間病院には税金投入しませんが、厚労省管轄の国立病院・ナショナルセンターには、税金によって赤字補てんすることが当然のように行われています。ちなみに、このような施設には役人が出向したり、天下ります。

 厚労官僚の権限拡大のために医療費本体を削減しているという構造が見えてきましたが、厚労省へ予算を配分している財務官僚は何をしているのでしょうか。財務官僚は、現場の意見を聞くのではなく、厚労官僚の説明だけを長年聞いてきたため、「医療費亡国論」の考え方に騙されてしまっているのでしょう。
 医療費はコストでしかないから削減すべきだという考えに染められてしまい、医療に付
加価値を見出し付加的に支払いたい人もいることや、それによって患者全員が恩恵を受けるという発想は、思いもよらないことなのでしょうか。

患者の安全性向上のため病院の人件費増加が必要
 危険にさらされている患者の安全性を向上させるためには、病院コメディカルの雇用を大幅に増やす必要があることは明白です。
 4月2日、政府・与党が「地域医療再生計画」を策定し、1兆円規模の基金を創設すると報じられました(共同通信)。もし、この1兆円を基金としてではなく、医療者が患者を診療することへの対価として、つまり診療報酬として支払えば、年収400万円としてのべ25万人・年のコメディカルの雇用を増やすことができます。
 しかし厚労省は、なぜこの予算を診療報酬ではなく基金にしようとするのでしょうか。基金を作っても、これまで通り「給与は雇用関係にある医療機関が払うべきものであり、国が払うべきではない」という理屈を貫くでしょうから、病院のコメディカル雇用は全く増えないでしょう。そのかわり、あまり役に立たなそうなプロジェクトが立ち上がり、天下りポストが増えるでしょう。これは、過去に何回も繰り返し、そのたびに失敗してきたことです。
 患者の安全を守るためには、与党が厚労官僚に絵を描いてもらうばかりではなく、民主主義に基づく政治主導のリーダーシップが必要な時が来ているのかもしれません。



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