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『週刊がん もっといい日』編集部(株式会社日本医療情報出版)
TEL.03-5688-7816
FAX.03-5688-7803


週刊がん もっといい日
2006年Vol.15
6月30日更新


6月23日更新内容 全記事はこちら

☆☆☆「週刊がん もっといい日」VOL.15☆☆☆


(プロフィール)
まえやま・かずひろ
平成2年、日本大学医学部卒業。医師国家試験合格後、大学病院には残らず、(財)天理よろづ相談所病院、国立東京第二病院(現・国立病院機構東京医療センター)、府中医王病院などを経て、平成16年4月、東京港区虎ノ門に「前山クリニック・虎ノ門」を開設。

代替医療最前線

「どんな手段を使ってでも治療を治す」ことを
モットーに電子水やゲルマニウムレーザーなど
がん治療に有効とされるものであれば
積極的に導入しています」


取材協力:東京都港区 前山クリニック・虎ノ門
前山和宏院長 


「西洋医学は学問的に非常に発展しているのに、免疫力に関しては無視され続けている」と話すのは、前山クリニック・虎ノ門の前山和宏院長。免疫力を上げて、人間がもつ自然治癒力をうまく引き出せば、がんは治せる病気である、とも断言します。2年前に東京都港区虎ノ門の地で開業し、ゲルマニウム点滴や温熱療法など、さまざまな療法を積極的に取り入れながら、がん治療に取り組む前山医師。その独自の手法や効果、診療姿勢について、ご紹介しましょう。

信頼できる学者と提携し
質が保証されている食品のみを使用


 前山クリニック・虎ノ門」では、大きく分けて二つの療法を中心に、がんの治療を行っています。まず一つが、ミネラルなどの微量栄養素を体に取り入れる栄養療法です。「既存の健康食品はほとんど使わない」という前山医師は、信頼できる学者と個人提携し、効果や質の面で納得ができるもののみを活用しています。
電話相談

 その一つに、生理食塩水にゲルマニウムを付加したゲルマニウム点滴があります。通常、市場に出回っているものは、1gに40mgのゲルマニウムが溶けているものが大半とのことですが、前山クリニックでは、500mlに5g、1gに10gものゲルマニウムを含むゲルマニウム水を使用します。
「これを点滴することで、がん細胞を直接攻撃するほか、自家製のインターフェロンを作り出すことを目的としています」と、前山医師。30代でステージWと診断された肺がんの患者さんが、ゲルマニウム点滴により、がんが完治した例もあるそうです。
 また、人間の体に流れる微弱電流に注目し、電子を含む水も導入しています。
「がんはもとより、打撲や肩こりなどは、体を流れる電子が異常を来たしている状態を指します。改めて体に電子を送り込むことで、これらの治療になると考えていたところに、電子水の開発者と出会うことができました。今は鍼灸師と連携し、皮下注射をしたり、ツボ注射することで、がん細胞の攻撃を図っています」(前山医師)。


ゲルマニウムレ-ザ-
ゲルマニウムレーザーにより
15分で乳がんが消える症例も・・・

 前山クリニックで行われるもう一つの療法が、現在、世界に3台のみといわれる「ゲルマニウムレーザー」を用いた温熱療法。これは、がん細胞に熱と電子送り込むことで、がんの細胞の縮小を図るものです。
「乳がんの方に施したところ、15分で乳がんが消えたという例も珍しくありません」と、前山医師。肝臓がんに対しても高い効果が認められており、肝臓の半分以上が、がんに侵されていた患者さんに施したところ、3割程度まで縮小が認められたと言います。

「どんな手段を使ってでも、がんを治す」というのが、前山医師のモットーですが、その言葉どおり、前山医師は「効果があるものは貪欲に取り入れる」という姿勢を崩しません。治療を受ける患者さんにも、「がんを恐れない」、「がんをあきらめない」、「ストレスを減らす」、「リラックスする」など、前山医師独自の“がんを治すための10か条”を示し、前向きに治療と向き合えるよう働きかけます。
がんを治すという目標に向かって、医師と患者の信頼関係を大切にしながら治療を行う前山医師。「楽しくなければ医療ではない。治療はエンターテイメント」と新たなモットーを掲げ、患者さんへの負担がない新しい療法があれば積極的に挑戦したいと意気込んでいます。 
8月には、体の内側から若返りをさせて免疫力アップを目的に、近年、アンチエイジング(抗老化)医療で注目されている、人の胎盤を用いたプラセンタの導入を考えています。
「当院は、患者さんの負担にならない治療を大前提としており、用いるものはすべて自分自身で試したうえで、効果があるものだけを選び導入しています」と、前山医師。
さらに年内には、皮膚がやけどすることなく、がん細胞までじっくり熱を与えることができる、マイクロ派を用いた特殊温熱の導入を予定しています。「この特殊温熱を用いれば、現在、日本で導入されている赤外線を用いた温熱療法よりも、格段に治療効果があると考えています」(前山医師)
 現在、前山医師は、患者さんが納得したうえで治療を受けてもらいたいと、初診患者には必ず1時間かけて話をしていますが、かたわら大手がん専門病院を受診する患者さんからのセカンドオピニオンの依頼も多くなってきました。
「患者さんと家族が、納得されたうえで、西洋医学で行われる標準治療を受けると判断されるのであれば、それでもまったく構いません。代替医療の分野も含めて、多くの患者さんと家族の不安解消に、当院が正しい情報の発信源となれれば・・・」
こうした前山医師の熱意が、多くの患者さんに支持され、地方からも患者さんが訪れる理由のようです。

●前山医師が治療した50歳・男性
(C型肝炎→肝硬変→さらに肝臓がん)のケース

 この患者さんは、肝臓内のがんが直径3cmを超えるものが一つと、あとは小さいものがパラパラとある状態でした。次々に発生するがんに、「もうきりがない」とのことで来院されました。
 まだお子さんが6歳で、「この子が成人するまで死ねない」という気が強く、焦りが先行していましたが、「それだけの気持ちがある人なら、治りやすいだろう」と私は考えました。 
 そこで、
1.「がんを治すための10カ条」の実践
2.海藻エキス剤の服用
3.冬虫夏草(組織修復力が強い)の服用
でやっていくことになりました。
4か月半で、超音波上では、肝臓がんは消失。現在も肝臓機能を回復させるため、
1. ゲルマニウム点滴でC型肝炎をゼロにする
2. 冬虫夏草で傷んだ肝臓を修復
という治療を続けておられます。
体調や顔色も良くなり、「若返った(奥さん談)」状態です。私の感覚として、「まだ死ねない」と気を強くもっている人は、治りやすいと思います。

■前山クリニック・虎ノ門の連絡先■
◇住所:東京都港区虎ノ門4-1-1虎ノ門パストラル本館7階
◇TEL:03‐6403‐5861 FAX:03‐6403‐5862
◇診療時間:11:00〜18:00 完全予約制
※ 土日祝は休診ですが、時間も含め要望があればできる限り対応します
URL::http://www.maeyama-clinic.com/





セコム損害保険株式会社
代表取締役社長の吉田保幸さん

がん医療に挑む企業

「がんの体験者しか分からない再発の不安や経済的な負担をサポートすることができたならば・・・」

乳がん体験者のための自由診療保険を
デビューさせたセコム損害保険株式会社
代表取締役社長の吉田保幸さん


年々増える一方の乳がん。治癒しても、もし後に再発したら経済的な負担をカバーしてくれる保険があったら・・・こんな人たちのための画期的な自由診療保険が、日本で初めて登場しました。この自由診療保険を開発したのは、私たちの日常生活や企業をセキュリティするだけでなく、不動産事業や病院を経営するなど、多角化ビジネスを展開するセコムの関連会社の一つ、セコム損害保険株式会社。「健康人」対象から「がん体験者」対象へと、あえてリスクの高い保険を開発した背景は、いったいどこにあるのでしょうか。また今後、乳がん以外のがん患者さんに対しては、今後、どのように取り組むのでしょうか。東京都千代田区に本社を構えるセコム損害保険株式会社の代表取締役社長、吉田保幸さんに、お聞きしました。

■未認可の新しい治療法や未承認抗がん剤の費用をカバーするために

 -―― がん法案が国会を通過し、いよいよ国民のための具体的ながん対策が国の指導によって始められる2006年は、まさに“がんに挑む元年”と言っても過言ではありません。患者会の代表が、識者に仲間入りして国の施策づくりに参画できる画期的な法案でもあります。情報の一元化、専門医の育成、緩和医療や在宅医療にまで及んでいますが、同時にがん治療に大きく関与する未承認薬の早期承認も織り込まれています。そうしたなかで、まさに絶好のタイミングで自由診療保険を開発、普及に乗り出しました。どのようなきっかけから、体験者をカバーする保険を開発されたのでしょうか?
 吉田 まず最初に、自由診療でも公的保険でもカバーする「がん保険」を開発したいきさつからお話しましょう。実は40代半ばになった自分自身が、もし、がんになったどうしたらいいか。子供もいるし、私としては、まずは治したいと思いますが、これはどなたも共通して言えることです。昔と違って、がんにかかると、“不治の病”のような印象が強かったのですが、現在は治る病であることが段々と分かってきました。では、がんを治したいといったとき、どのような治療法があって、どのような医師にかかったらいいのか、わからないケースが極めて多く見られます。
 そういう観点から医療関係者に、いろいろとお聞きしたところ、問題意識をお持ちの方がものすごく存在していました。具体的に言いますと、治療方法ですが、近年では、いろいろと新しい治療法が登場しています。しかし、ほとんどの患者さんがご存知ないということ。そして、医師からがんと診断され、「そのまま入院してください。2週間後には手術をします」というケースが少なくありません。
そこで患者さんは、「先生、ちょっと待ってください」となる。医師から指示された治療法が、果たして適切なのかどうか選択する余地がない。しかも医師は、健康保険の範囲内の治療しかやらない。当然、治療の際には、ベストを尽くしてくださるわけですが、欧米で臨床をなさっておられた現役の医師が、日本に戻って診療したとき、「この患者さんには、この抗がん剤での治療が可能」と言っても、その医薬品が承認されておらず、しかも治療法も認可されていない。
かりに、その治療法を行うと、費用負担がものすごかったり・・・。保険診療という病院のスタンスもあるでしょう。医師にとって一番もつらいことは、自分がこの患者さんを治したいと思い、最善を尽くしたいのにできないことです。そこで、こうした事態に遭遇した際に、保険でカバーできないものか。そんな思いから、最適な治療を受けがんを克服するために、このことに関心のある方々とともに2001年に開発したのが、自由診療保険『メディコム』でした。公的健康保険で、「使用できる」「できない」を問わずに、世界水準の最先端治療や最新の治療薬をカバーしてくれる「がんを治すための保険」です。

■がん医療で定評のある170か所の医療機関を「協定病院」として・・・

 -―― 具体的には、どのような啓蒙活動をなさってこられたのですか?
 吉田 患者さんは、まずは自分のがんを治したいですから、どこの病院で、どのような治療方法があるのか、一般消費者の方々にお伝えできないものだろうか考えました。看護師の専任スタッフが常時待機していて、もし不幸に、がん診断された場合、患者さんのご要望と症状を確認した上で、患者さんの症状にあった、がん治療で定評のある複数の医療機関をご紹介するようにしています。ただ病院によっては、自由診療はやらないケースや最先端の治療技術のないケースもあって、そこで、がん医療では定評のある医療機関に参画していただき、現在、170か所ほどの「協定病院」があります。
 それに、先ほど申しましたが、外国では盛んに使用されている医薬品が、日本では承認されていない医薬品が数多く見られます。せっかく治す手段があるのに、これでは患者さんを治すことはできません。だから私たちは、ここに照準をあわせて自由診療面もカバする保険を開発したというわけです。
 デビュー当初は、なかなか認知されずに苦戦しましたが、理解していただきジワジワと伸び、“知る人ぞ知る保険”として、現在の保有契約数は11万件に達しています。保険金を受け取っておられる方のなかには、1000万円を超えているケースもありますが、新しい治療法が開発されたとき、未承認の抗がん剤を、さらに使用しなければならなくなったとき、つまり治療費の変動についても対応してきました。例えば、一つ例を挙げますと、がんの最先端治療として『重粒子線治療』がありますが、体にメスを入れない、正常組織への影響が少ない、患部を集中的に攻撃するものですが、これなどもお支払の対象としています。

■そして「乳がん体験者」のための自由診療保険を開発

 ―― 最先端の治療とおっしゃいましたが、近年、手術、化学療法、放射線治療に続く“第四の療法”といわれる免疫療法ですが、これは対象となるのでしょうか?
 吉田 免疫療法は、さまざまなものが、がん治療に行われていますが、適用になるものとそうでないものがあります。もちろん私どもが認めています免疫療法の一覧はありますが、なかには再発予防ということで行うケースも少なくありません。私どもの保険は、あくまでもがん治療に係る部分であって、再発・転移を予防することは対象となりません。
 ―― しかし、がんは発症しないように予防することが重要です。こうした情報の収集と発信も必要でしょう。
 吉田 最初に、がんを治すための自由診療保険を登場させてから、さまざまな普及活動をしましたが、シンポジウムや新聞広告などを通じた反響は、健康人の方ではなく、一度がんにかかった方たちがほとんどした。健康人に自由診療保険のことを説明しても興味を持った方は少なかったのですが、体験者は、がんにかかったときの恐怖感、苦しみを知っておられますから、治療後、再発しないように、いろいろと気をつけられています。
 ―― がん患者さんが、治療後の再発・転移予防に、どの程度費用をかけているか私どもが調査したところ、治療中では12万円、治療後は3万円をかけていました。それほど、がん患者さんは再発・転移予防に気を配っているのですね。
 吉田 確かに治癒した後の再発予防は大切です。しかし保険という点では、再発予防を対象とすることはできませんが、新しく開発した自由診療保険は、乳がんに限定していますが、かかったことのある方で、もし完治していて、その後、再発したときは補償しましょうというものです。その場合、医師から完治したというお墨付きがないと保険に加入できません。
 ーー がん体験者のための自由診療保険ですが、なぜ乳がんなのでしょうか?
 吉田 まず乳がんに罹患する人が年々増えていること。その数は、年間3万人以上といわれていますが、年代で言えば働き盛りの女性がかかりやすいこと、それに乳がんの完治は、10年というスパーンがあること等々を考慮しました。私たちは、がんの体験者しか分からない再発の不安や経済的な負担をサポートすることができたならば・・・そんな思いで普及していきたいと考えております。
 ―― 乳がん以外でのがんを対象とした自由診療保険は?
 吉田 がんの罹患率などの調査が大前提になりますが、今、いろいろと準備をしている段階です。これから、さまざまな機会をとらえて、多くの女性の方たち、とくに乳がん体験者の方々に、私どもの趣旨をご理解していただければと思っています。
<編集部から>
 一番大切なことは、がんにかからないことです。しかし、もしも、がんにかかったならば『がん保険』がカバーしてくれますが、一歩進んで、乳がん体験者をターゲットとしたのが、セコムの新しい自由診療保険。どう多くの女性たちにアピールしていくかー陣頭指揮をとる吉田さんは、いろいろと策を練っています。
『週刊がん もっといい日』編集部としては、がんにかかった人たちが、どのように再発・転移予防に取り組んでいくかが重要と思います。がん治療後の再発・転移予防、いわゆる“第三次予防”についても、私たちは真剣に考えなければなりません。

セコム損害保険が新しく開発した乳癌体験者のための自由診療保険

http://www.secom-sonpo.co.jp/topics-060619.html




連載

『Revital(蘇り)―生死をさまよい生還した
“平成の一休さん”闘病記』

第4回「姪っ子の号泣」


■「もう命はない」と自分の置かれている立場を理解し妹に手紙を書いた・・・

第1回目の手術前に、私は大阪に在住する妹にお別れの手紙を書きました。医師の説明を受ける前に、「もう命はない」と自分の置かれている立場ははっきりしていたからです。
この世に同じように生を受け、幼いときからともに貧乏な暮らしを強いられた昭和30年代。それでも、くじけず強く生きて来てこられたのも、家族がいたからです。
「楽しかったね、ありがとう」
私は、妹に何も力になってあげられなかったうえ、このような大病になったことを詫びる手紙を送ったのです。
 手術の2日前、3月13日に連絡を受けた妹の娘、姪っ子の恵美ちゃん(当時20歳)が、私の手術に立ち会うために東京慈恵医大病院に飛んで来ました。妹宅は飲食店を営んでおり、妹は手が放せないためでした。
姪っ子の恵美ちゃんとは、普段から何かと人生相談や悩み事の応じていた関係で、私に対して「心配する気持ちは人一倍」であったのか、上京することは、むしろ姪っ子の方が積極的に名乗り出たようです。
 新幹線で、午前中に東京駅に到着した姪っ子から電話来ました。
「おっちゃん、どうしたら病院へ行けるの?」
「タクシーに乗りなさい、東京駅から西新橋は近いから・・・」と教えました。やれやれと思って間もなく、また電話がありました。
「おっちゃん、慈恵医大に着いたけど、病院が巨大すぎて病室へどのように行けばいいのかわからへんわ〜」
「案内係りに聞きなさい」と教えたが、結局、迷子になったようで、病院関係者に案内されて私が入院する病棟に無事に着きました。

■「先生、おっちゃんを助けて、お願いだから・・・」

 その日の夕方、主治医から手術の説明を受けました。執刀はA教授が行い、病棟内での主治医はF先生、副主治医はS先生、サポートはS先生の3名。手術の内容は、図解入りで説明を受けましたが、実に簡単なものでした。
「こうして・・・」「ああして・・・」「こうなって・・・」「こんなイメージです」という「まんが」を書いてくれましたが、とても「インフォームドコンセント」とは言いがたい、ほど遠い内容でした。淡々と説明するF先生は、それが大学病院という厳しい環境では精一杯の誠意だったのかも知れないと、私は理解しました。

説明が終わった頃、外は真っ暗でしたが、病室の目の前から見る、ライトに映し出された東京タワーの夜景は最高で、癒される環境の部屋にベッドはありました。
「おっちゃん、まるで高級ホテルの一室みたいやね」と姪っ子の感想に、「おやおや、観光気分かい」と思わず呟やいたことを覚えています。
 手術当日の3月15日、朝7時、血圧と体温を計り、異常ないことを確認した後「術前麻酔」。そして8時から手術は開始され、夕方16時頃に終了。後で聞いた話ですが、手術中、予期せぬ事態が発生し予定の時間を何時間が過ぎて手術は無事終了したそうです。
 姪っ子は、当日、港区芝浦にあった私のマンションから都バスで東京タワー行きに乗り、御成門で下車し14時頃に病棟で待機し、「手術室の前に来てください」との指示で、16時頃に、手術室のドアーの開くのを待っていたそうです。
 これは、後日、看護師から聞いた話です。手術室の扉が開いた瞬間、予想だにしなかった私の無残な光景に仰天し、「おっちゃん〜おっちゃん〜おっちゃん〜」と姪っ子は大声を出して号泣したそうです。
「先生・先生、おっちゃんは大丈夫ですか?お願い助けて助けて〜助けて〜」
手術室から集中治療室までの間、泣きじゃくる姪っ子の姿に先生方も涙したとか。
 E病棟から急遽、担当看護師さんが駆けつけ、姪っ子は看護師さんに案内され病棟へ戻りました。しかし集中治療室からE病棟の部屋に戻る間、姪っ子の号泣は止まりませんでした。
「うわ〜ん・うわ〜ん、何とかして、おっちゃんを助けて〜おっちゃん死ぬかもしれへん・・・」
泣きじゃくる姪っ子。病棟へ戻ってからも、泣き止まない姪っ子。ナースステーションの看護師も、思わずその光景に全員が貰い泣き。慌てて看護師さんや当直の先生方が、総出で姪っ子を慰めていただいたそうです。落ち着いたのは、30分ほどたってからでした。
そして起きたあの悪夢、5日後に目と鼻の先の霞ヶ関駅で「サリン事件が発生」したのでした。

■「4月になったら愛宕山の桜を見せよう」
―の合言葉で看護師さんたちの看護が始まった

術後1か月。経過様態がかなり安定した頃、看護師さんが、笑顔で私に話しかけてくれました。
「西宮さんは幸せ者ですね〜私たちは素晴らしい光景を見せていただき、本当に勇気をいただきました。20歳のお嬢さんが、人目をはばからず、あんなに泣き叫ぶ姿は見たことありません」
「4月になったら愛宕山の桜を見せよう」が、ナースセンターの合言葉になったとか。看護師さんたちの懸命な看護が始まりました。
毎日8時交代の担当看護師さんの朝礼引継ぎが終わると、真っ先に看護師さんがベッドに駆けつける。「大丈夫だった・・」と、言ってしっかりと手を握って励ましてくれる。自然と私の目には涙が溢れました。
その励ましのお陰で、私は5月13日、お世話になったナースセンターの皆さまにお礼を申し上げて無事退院しました。担当看護師のKさんが、私の姿が見えなくなるまで手を振ってくれたのが、とても嬉しく思いました。
この日のことは、私の心のキャンパスに決して消えることはないでしょう。それほど患者さんの不安、恐怖に対して優しく、笑顔で看護の手を差し伸べてくださる、使命感に溢れる医療関係者の方々の真の姿が、しっかりと記憶に刻まれた瞬間でもありました。
サリン事件で走り回り、「死を覚悟した」私を励ましてくださった医師、看護師さんたちの姿は、11年過ぎた今でも、はっきりと私の瞼に焼き付いています。(西宮春雄)
<追伸>
東京慈恵医大で、今でも語り継がれている、私のために号泣してくれた姪っ子の恵美ちゃん。当時の看護婦さんに慈恵医大でお会いすると、「大阪の姪っ子さんどうしている?」と聞かれます。「彼女は結婚し2児の母親となりました」と報告すると、皆さん喜んでくださいます。恵美ちゃんは結婚し、奈良県生駒市で小学3年の長男と小学1年の長女と暮らしています。
「恵美ちゃん、ありがとう。おっちゃんは元気やで〜」


"平成の一休さん"のE-mail :ikkyuu@sky.biglobe.ne.jp
"平成の一休さん"のホームページ:http://www.ikkyuu.net/



診察中写真

新しいクリニック紹介

横浜市港北区に“がん相談外来”のある
「みずきクリニック」が開設





“がん相談外来”を掲げたクリニックが、この6月、神奈川県横浜市港北区に開設されました。がん患者さん、がんの不安がある健常者の方々が気軽にアクセスでき、大学病院などの中核医療機関、地域診療所をつなぐ、がん医療のハブ拠点(中軸)としての機能を備えることを目的とした「みずきクリニック」です。
外観写真

 同クリニックは、完全予約制。地域の基幹病院に勤務する複数の医師とともに診療を行い、「がんが心配だけど、どこに行けばよいか分からない」「治療を終えて数年経つが再発していないか不安」といった悩みや心配を持つ方々の相談体制を整えているほか、がん以外の疾患の検査や治療についても相談に応じてくれます。
そのため同クリニックでは、聖マリアンナ医科大学病院、東邦大学病院などの呼吸器科の現役の教授や講師を非常勤に迎え、質の高い医療を、来院者の状態に応じて適切な医療機関を紹介するディストリビュート拠点として機能することで、大病院一極集中の緩和と地域における、がんケア体制の構築に寄与していくことにしています。
「患者さんも医師も、余裕のある診察の時間のなかで、お互い納得できる診療ができればと考えています。診断や治療方法など、早いスピードで変化しつつあるなか、検査や治療の選択枝も増え、医師が説明しなければならないことは、内容、ニーズとも昔と比較にならないくらい多くなっています。そのため診療には、本来十分な時間が必要であり、大病院での3分診療では、 たとえ診療が適切であっても、誤解、不安、不満が残る可能性があります。 日常診療で、せっかく良い医療をお受けになっているにもかかわらず、説明が不足していたり、 医師の態度によって、診療内容まで不信をお持ちになる方からのお話をたくさん耳にしてまいりました。 このようなことがおこらないよう、微力ですが、完全予約制のがん相談外来という形で、クリニックを開院しました」(みずきクリニックの桑田有希子院長)

■みずきクリニック■
◇住所:神奈川県横浜市港北区新横浜2-5-15 新横浜センタービル1F
◇予約専用電話:045-478-6181(受付時間9時〜19:時:日曜・祝祭日休)
◇診療科:完全予約制、がん相談外来(内科・外科)
◇休診日:日曜・祝日        
◇診察時間:10時〜13:時/14時〜17時
◇URL:http://www.mizuki-clinic.org


待合室

進化するコミュニティ病院

セントマーガレット病院(千葉県八千代市)が
7月から“休眠療法”による
「がん診療」をスタート




千葉県八千代市の病院が、7月から“休眠療法”による「がん診療」に取り組むことになりました。この“休眠療法”を取り入れた診療を始めるのは、セントマーガレット病院。診療日は、毎月第1、第3土曜日の終日で、担当医は金沢大学がん研究所腫瘍外科助教授の高橋豊医師。
“休眠療法”とは、抗がん剤の投与目的を、これまでのように「がんを縮小させる」ことから「がんの増殖を防ぐ」、つまり、がん細胞を眠らせるということに重点を置いた治療法のことです。

外観写真

三大療法の一つ、抗がん剤による治療は、急激に増える細胞を破壊するという特徴を持ち、分裂を繰り返すがん細胞の縮小に効果的ですが、その一方で、胃や腸の粘膜、骨髄、髪の毛の正常な細胞も破壊し副作用を起こすことが知られています。そこで、抗がん剤の投与量を減らすことによって、従来と比べ長く少ない副作用で治療をしようというのが、“休眠療法”です。
セントマーガレット病院は、1987年の開設以来、保健・医療・福祉サービスを展開するかたわら、24時間年中無休の救命救急体制を整えるなど、地域の第二次中核病院として活躍してきました、
この7月からは、さらに、がん診療に積極的に取り組むために、さまざまな療法を採用することにしたものです。“休眠療法”はその一つで、同病院では今後、地域住民のための『ヘルスケアプログラム』を構築するなど、急速に進展する医療の変革や多様化した患者さんのニーズに応えた医療体制やサービスを提供していく意向です。

■セントマーガレット病院■
◇ 所在地:千葉県八千代市上高野450 
◇ TEL:047-485-5111(代表)
◇“休眠療法”を行う高橋豊医師の診療受付時間=毎月第1、第3土曜日の8時30分〜11時30分及び13時30分〜16時30分
◇ 診察時間=9時〜12時及び14時〜17時
◇ URL:http://www.st-marguerite.or.jp/
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