トップページ おすすめホームページ イベント情報 がん関連リンク
がんにかかわる情報の配信ページです
放射線治療施設一覧 ホスピス・緩和ケア病棟施設一覧

月刊がん もっといい日Web版

検診・治療Data File

がん患者さんは
どんなサプリを
飲んでいるの??
厚労省データ紹介
↑ココをクリック
ピロリ菌徹底解明情報サイト
『ピロリ菌の検査と除菌のすすめ 健康な胃をとりもどそう』
『アメリカ最先端のがんなどに関する補完代替医療と統合医療情報が入手できます』
週刊がんオススメの四万十川ユースホステル
↑詳しくはこちら
埼玉医科大学客員教授・武田文和氏が綴るブログ
『がんの痛みの治療〜世界のすべてのがん患者の痛みからの解放』


検診・治療Data File



栄養療法などの情報をお届け



あなたの健康と美を
お届けするヤックス
在宅医療と介護相談も
応じています


このホームページに関するご意見・お問い合わせはyamamoto-iihi@gekkan-gan.co.jpまで

〒113-0113-0034
東京都文京区湯島3-36-3
歌川ビル4F

『週刊がん もっといい日』編集部(株式会社日本医療情報出版)
TEL.03-5688-7816
FAX.03-5688-7803




週刊がん もっといい日
2010年Vo.196
3月5日更新


難病の子どもたちのための診療所付自然体験施設
建設へ日本チェーンドラッグストア協会が店頭で募金活動中!
http://www.gekkan-gan.co.jp/images/bokin.pdf


詳しい情報は下記URLにて
http://www.solaputi.jp/

Vol.196号の目次 『週刊がん もっといい日』編集部 山本武道からのメッセージ

@クローズアップ
「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会への要望書」
卵巣がん体験者の会スマイリー代表
片木美穂
(2010年2月26日 MRIC by 医療ガバナンス学会発行)

Aクローズアップ
民有国営の日本医療に未来はあるか
転移がん患者・混合診療裁判原告
清郷伸人
(2010年2月23日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行)


B『週刊がん もっといい日』編集部がお薦めするBOOK

Cセミナー・イベントのお知らせ

連載 第2弾
生きるための緩和ケア最前線
―“がん治療と積極的疼痛管理”のすすめ
連載
生きるための緩和ケア最前線―痛みからの解放
医療ジャーナリスト・長田昭二
『もう治療法がない≠ニ言われた再発進行がんの
未承認抗がん剤という選択肢』
<未承認抗がん剤:取材プロジェクトチーム>
『週刊がん もっといい日』のピロリ菌の早期発見・早期除菌による
胃がん予防キャンペーン(詳細は、ここをクリックしてください)
乳がん闘病中の内山 遥(うちやま はるか)が
レポートする連載『がん患者さんのための「免疫とがん」講座』
10年2月26日更新内容 全記事はこちら

がんの予防、治療、再発防止に役立つ
がん情報サイト「週刊がん もっといい日」
毎週金曜日の更新です!

がん情報サイト「週刊がん もっといい日」は、がんの予防、治療、再発防止に役立つ情報を、毎週1回、次の四つのテーマでお届けしております。更新は、毎週金曜日です。
■ 「がん闘病記」・・・患者さんに闘病体験を語っていただきます。
■ 「ここにこの人」・・・話題の人を紹介します。
■ 「がんの治療最前線」・・・がん治療にかかわる最新情報を提供します。
■ 「統合医療最前線」・・・統合医療にかかわる情報をします。

また、同時にがんにかかわるニュースをメールマガジンで提供しております。ただしメールマガジンのニュースをご覧いただくためには、次の手続きが必要になります。

*ニュースの購読は、メールマガジン「週刊もっといい日ニュース」(無料)への登録が必要です。
*登録方法は、本ページ上部のアイコン「もっといい日ニュース」をクリックして、必要事項を記入のうえご送信ください。毎週、ニュースを配信いたします。



乳がん患者の不安や疑問に答え具体的な情報を面談で提供する
「あけぼのハウス」が明日(3月6日)オープンします
                    
『週刊がん もっといい日』編集部で紹介しました、乳がん患者さんの組織・あけぼの会(Breast Cancer Network Japan)による乳がん患者の不安や疑問に答え、具体的な情報を面談で提供する「あけぼのハウス」が、明日3月6日に開設されます。
 会場は、大橋会館(東京都目黒区東山3-7-11:渋谷駅から田園都市線各停一つ目「池尻大橋」下車東口から徒歩3分)。14日、20日、28日、4月4日の13時〜16時まで、あけぼの会会員(乳がん体験者)で電話相談長年経験者、病院訪問ボランティア経験者、不定期的ですが専門家、乳がん専門医やナースも参加し、さまざまな相談に応じてくれます。対象者は次の通りです。照会先は、あけぼの会事務局(03-3792-1204)へ要予約。

■乳がん手術前に病院選び、専門医探しをしている人
 ◇抗がん剤治療を開始していて不安な人
 ◇治療法、手術法の選択決定に迷っている人
■乳がん手術後の社会復帰に精神的サポートを必要としている人
 ◇治療法に対して疑問不安がある人
 ◇セカンドオピニオンを得たい人
■乳がん患者をサポートする家族や友人

「あけぼのハウス」に関しては、あけぼの会のワット隆子会長のエッセイ「ワットさんの笑って長生き」(http://www.akebono-net.org/contents2/essay/20100225.htm)を参照ください。 
 あけぼの会の創設は31年前。「わずか17人でスタートしたあの日と同じ、一人の患者ががんのショックから立ち直って元の生活に戻れるよう、みんなで支え合う、という根本の考えは今も少しも変わっていません。最近は術前の人が不安な気持ちを話し、情報を求める人の電話相談が増えてきています。みなで知恵を寄せ合って、賢い患者になって、病に勝つ」これを今年の目的にしてはどうかと考えました。入会して、あなたの力も貸してください」
 ワットさんは、こう語っています。
 いつもワットさんのお話を聞かせていただくたびに、胸を打たれます。自分の母親も乳がんに罹り乳房を切除したこともありますので、なおさらです。
 「週刊がん もっといい日」編集部では、これからも「あけぼの会」をはじめ、多くのがん患者さんの会の活動を紹介させていただく所存です。
 さて今週もまた、皆さまにとって「もっといい日」でありますように・・・。


『週刊がん もっといい日』編集部 山本武道

「生存率20%以下のがんから奇跡の生還」を果たした
ランス・アームストロングさん(自転車レースの最高峰、
ツールド・フランスで前人未到の7連覇)から、
がんと闘う皆さまへのメッセージです

↑クリックしますと全文掲載されます。

世界各国の乳がんを患った女性たちに向けた
テニスプレーヤーのアンドレ・アガシ選手の母親、
ベティ・アガシさんのメッセージ

↑クリックしますと全文掲載されます。

3年前に腎臓がんを克服したプロレスラーの
小橋建太選手からのメッセージ

↑クリックしますと全文掲載されます。

「いつの日か、あなたが孤独で行き先を見失った時には
春の穏やかな暖かい日向の風となって・・・
さわやかな幸せの風を送ります」
最後の力を振り絞って書かれた一通の
あるがん患者さんの手紙「お別れのことば」

↑クリックしますと全文掲載されます。

「もっといい日」図書室からのお願い!
がんの治療法(手術療法、化学療法、放射線療法、免疫療法、補完・代替療法など),食事療法、闘病記等々、がんに関する推せん書籍を、ご紹介ください。

皆さまが、最近読まれた書籍で、患者さんや家族の方々に、ぜひ読んでいただきたい書籍を、「もっといい日」図書室まで、下記の要領でお知らせください。

<お知らせいただく項目>

(1) 書籍名(2)著者と筆者の所属先及び連絡先(住所、電話番号)(3)発行出版社(住所、電話番号、メールがあればアドレス)(4)価格(5)簡単な紹介文(400字以内)(6)あなたさまの氏名、住所、連絡先(仮名も可)

送付先E-mail:yamamoto-iihi@gekkan-gan.co.jp


がん関連書籍を紹介した『もっといい日 図書室』をご利用ください

がんに関する書籍が、相次いで出版社から刊行されていますが、「うっかりして買い忘れた」「知人から聞いた」「確か新聞や雑誌で紹介されていた」等々、入手できなかったというケースは少なくありません。
 そこで『週刊がん もっといい日』編集部では、がん関連書籍の発行先、著者の連絡先がわかる、『もっといい日 図書室』を開設いたしました。
 リストには、書籍名、発行元(出版社名・連絡先)、著者(著者の専門部位・所属先・連絡先)を掲載しておりますが、ただし著者の所属先及び連絡先が変更になる場合もありますので、ご了承ください。今後、がん関連の書籍リストは、随時、追加していきます。
『もっといい日 図書室』の閲覧は、トップページ上部の「もっといい日 図書室」をクリックしてください。




☆☆☆「週刊がん もっといい日」VOL.196☆☆☆

クローズアップ

「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会への要望書」

卵巣がん体験者の会スマイリー代表
片木美穂

(2010年2月26日 MRIC by 医療ガバナンス学会発行)

厚生労働大臣 長妻 昭 殿
医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議座長 堀田知光 殿
卵巣がん体験者の会スマイリー 代表 片木美穂

 2010年2月8日より開催された「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」は、私たちのように「世界で治療薬として使用されているにも関わらず日本では適用されていない」ドラッグに苦しむ患者・家族にとって、治療薬の必要性を認めていただき、使えるようになるかもしれないという希望を託した会議です。第1回の会議を傍聴したうえで会議に対して以下の要望をさせていただきます。


【要望された治療薬に対して検討内容を情報公開してください】

 これまでの「未承認薬使用問題検討会議」や「抗がん剤併用療法に関する検討会」に関しては議事録が公開されてはいますが、治療薬の承認を要望した患者らに対して、治療薬に対してどのような検討がされたかという回答が非常にわかりにくいものになっています。そのため、要望しても「要望がどのように取り扱われたのか」わからず、その後の対応に苦慮することが大変多いです。
この会議に先立ち、2009年8月17日までに提出したパブリックコメントに対しては、患者会は、できる限りの詳細な治療薬の情報を調べ、必要性があると信じて要望しています。要望に関し、企業がどのような意見をし、委員やワーキンググループによってどのような検討がされたのかということがわかるように情報公開をしてください。


【保険支払いの必要性に関しても検討してください】

 第1回の会議で事務局から配布された資料によると、この委員会では要望があった治療薬に対して「公知申請を行う」か「治験を行う」ことを企業に要望するための仕分けが行われるように思います。しかし、私たちは「55年通知」をもとに、ただちに保険支払いを決めるという回答も必要ではないかと思っています。
 日本医師会会長が武見太郎氏の時代に、橋本龍太郎大臣に認めさせたと言われる、「55年通知」(別紙)は、薬事承認された適用の他にも、薬理作用に基づいて処方した場合(海外データがあるなど医学的に効果があると医師が判断したもの)は、保険により支払いを認めてよい、という内容です。この通知は現在も生きています。
 実際に社会保険診療報酬支払基金は2007年9月に47品目、2009年9月に33品目を保険適用しています。しかしながら、この社会保険診療報酬支払基金の審査情報提供委員会は委員も、検討内容も非公表というとってもおかしい委員会であり、判断過程を透明化でないため、どのような基準で保険が認められるかもわかりません。治療薬にとっては、「公知申請」や「治験」ではなく「保険適用」を検討するべきものもあるのではないでしょうか?ぜひ、保険支払いに関しても検討項目に加えていただきますようお願いいたします。




クローズアップ

民有国営の日本医療に未来はあるか

転移がん患者・混合診療裁判原告
清郷伸人


(2010年2月23日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行)

医療費と国家財政


 過去、日本の国家が取ってきた医療費抑制政策は、次の点で誤っていた。
 国家財政が危機にあるという認識は正しい。破綻を回避するために財政支出の強い抑制が必要という点も正しい。しかし、政官財癒着の公共事業に郵貯や国債の財政投融資特別会計や一般財源などの公金を湯水のごとく垂れ流し、官僚の天下り楽園のために年金特別会計などの公金を簒奪しておきながら、医療費亡国論を叫び、一貫して診療報酬だけをねらい打ちにしてきた財政政策は戦略的に根源から誤っていた。その甲斐あって、医療費のGDPに占める割合はOECD諸国で最低となった。
 この間、患者の窓口負担だけは無料から1割、2割と引き上げられ、ついに3割にまでなった。しかし、政策が根源から誤っているから、政府債務は積み上がるばかりで、ギリシャやスペインより悪く、日本人の預貯金で日本の国債が消化できなくなる財政破綻は瀬戸際まで来ている。
 医療も国民も国家あっての存在である以上、この現状認識から出発しなければならぬ。しかもそういう国家をわれわれは選んできた。医療者も国民も自ら招いたこの危機の解決に真剣に対しなければならぬ。これ以上、われわれが強欲を張ったり、辛い忍耐を先送りすれば、耐え切れないほどの少子高齢化に見舞われるわれわれの後の世代が理不尽な崩壊にさらされる。
 危機的な財政の現状は医療者にも国民にも尋常ならざる覚悟を突きつける。民主党政権が今年の診療報酬改定で、わずかなアップしか達成できなかったことを責めるのは間違っている。
 もともと目標にしていた1割アップなどないものねだりである。医療費のGDP比をOECD諸国並みに、という当然の議論も今の日本では通用しない。国家財政が他の健全なOECD諸国並みになった時に通用する論理である。現状では、多岐にわたる国民生活において医療だけを聖域視する余裕はもうない。
 国民も医療費負担に自己抑制を迫られていると思わなければならぬ。保険診療を際限なく受けることは、保険財政によるさらなる国家財政への重荷につながるのである。そうはいっても精神論は空回りするから、制度を設計し直すべきである。保険というものの本質上、健康保険も大勢の罹る軽い感染症などは全額とか5割自費にして、重い疾患、難病、高額な医療に直面している少数の患者に十分な給付を行うなどといった設計が考えられる。医療を今よりも自費で賄う部分が多くなるが、個人がいくら快くても全体が倒れてしまえば終わりである。公のために個人が忍ぶべき時なのである。
 そうなると少々の体調不良くらいでは国民は医療機関に行かなくなるだろう。重病化などの弊害を招くという批判も出るだろうが、そもそも日本人は先進国の中でも病院に行き過ぎているし、薬も使いすぎ、入院日数も長すぎるのである。数多くある医療機関も患者が減って淘汰されるかもしれない。しかし需要に対して供給が多すぎれば、競争が起き、敗者が生まれるのは避けられない運命である。
 もちろん、それは一つの例であり、他にもさまざまな制度設計が考えられるが、完全な設計などというものはないであろう。必ず誰かの利害と衝突する。しかし、このような議論は細部でなく大局で考えるべきである。最優先の目的は、国家財政の破綻と若年世代の生活崩壊を防ぐことであり、早急に国家の将来像と戦略を構築して、破綻の臨界点に達する前に行動しなければならない。


民有国営医療への道がもたらしたもの

 大正11年、鉱山と工場労働者の「労務管理」から出発した健康保険が昭和33年の国民健康保険法の改定で強制加入の国民皆保険になった時、政府は医療の現物給付に全面的に責任を負う当事者となった。当事者といっても医療を供給する主体は医師だから、政府は保険医である医師にも経済的な保障を与えなければならない。
 それを達成するには医療の国営化しかありえない。しかしすべての医師を公務員にし、医療機関を公立にするわけにはいかないから、経営責任は民間に残しながら経営の自由度はまったくない民有国営という人面獣身のような奇怪な医療制度が発足した。それは官僚の狡智が編み出したトリックであったが、その健康保険制度も当初は国民大衆の医療と健康に画期的に寄与した。
 しかし、物事には必ず光と陰がある。日本経済が成長軌道で国家財政も安定していた時代には現れてこなかった民有国営医療を賄う健康保険制度の陰の部分が、黒々と増大してきたのである。国民の医療をすべて公的保険で賄うというこの制度のもとで、生活水準の向上、高齢化の進展、医療技術・医薬品の進歩により医療費は年々上昇せざるを得ない。今後もそのカーブは加速していくだろう。
 一方で、この制度の財源を支える若年世代は減少の一途で、国家の歳入は細り、国の借金は増えるばかりである。健康保険制度が日本の国民に適した優れた制度だとしても、その基本フレームを残しながら疲労・劣化した部分は革新していかなければ、フレーム自体が腐食するだろう。それは民有国営のうち国営の部分に民営を導入することにほかならない。
 民有国営の医療を支える健康保険制度にはもう一つの陰の部分があった。民有国営とは、国家が医業経営に対する義務も責任も一切負わずに、医療の現物給付を管理し、医療内容に細かく口を出し、保険医の経済・経営にも介入するということである。事実、政府は医療の管理強化路線をひた走ってきたといっても過言ではない。しかし、それは大部分の国民や医師にとって決して意に反する道ではなかった。
 管理強化された健康保険制度に苦しめられた若干の患者や医師はいたが、制度に素直に従ってさえいれば保険医療は、大部分の国民にとって安価で安心できる身近な医療であり、大部分の医師にとっては平等に高収入が保障される手形であった。実際、大部分の医師の本音は、保険医療が最も居心地が良いのですべての医療を保険にすべきであるというものである。
 だが、そのように管理強化されてきた健康保険制度によりかかっているうちに、われわれは大事なものを失っていたのである。大事なものとは医療の自律性と国民の自立性である。とくに問題なのは医療の自律性の喪失である。「医療の本質が、倫理性や人間性に立脚するものであることを考えると、「医療の自由」は医療の純粋性を維持するためにも守られねばならない。
 それからまた、医師は自己のなした医療行為の責任を負わねばならぬことを考えると、「医師の裁量権」は医師にとって必須のものであるはずである。つまり医師の裁量権は、医師の恣意を保障するものではなくて、医師の良心を守るためのものと考えるべきなのである」(飯塚哲夫「歯科医療危機の光景」歯界展望第67巻第1号別冊昭和61年1月15日発行66〜67ページ)
 飯塚医師は保険外診療による保険医資格停止の上杉事件訴訟に関わっていくうちに、行政が違法なやり方で医療の自由を否定し、医師の裁量権を侵害する姿を目の当たりにする。同時に、多くの医師がそれに無頓着、無関心であることも痛感する。
 いつから飯塚氏のいう医療の本質は、医療の国家管理と引き換えに失われたのか。民有国営医療が当たり前のように進んでいく中で、医療が国営医療すなわち健康保険制度に安住して、自律性を売り渡したといわれても仕方のない歴史がある。前述の飯塚氏は同著77ページで次のようにいう。「私は「医療国営」を必ずしも否定するものではない。
 しかし「民有国営の医療」は否定する。なぜなら、それは不条理で非人間的だからである。それは、国家が権利のみ主張して、それに付随する義務や責任を回避する医療制度である。医師は、当然のことながら自分のなした医療行為の責任をすべて背負い、患者に対してあらゆる医療義務を負っている。
 一方、国には、医療行為に関するどのような義務も責任もない。それでいながら、国は医療の内容に容赦なく容喙し、医師は医療の裁量権をはなはだしく侵害されている。医師としての権利を奪われた状態で、医師の責任を全うすることができるものかどうか考えてみるがいい」
 また、国民の自立性とは管理された保険医療によりかかるだけでなく、自らの命に関わる医療への自己決定権を自覚することだが、お上依存の国民性には難しいことである。しかし、たとえ国民がそうであっても、また国の管理がいかに強かろうと、医療は病を治し、命を救うことが使命である。
 そのためには国家管理から外れようとも自らの裁量に従う医師の良心を求めたくなるのだが、飯塚氏のいうようにそれは酷というものであろう。やはり医療の本質を回復するには、個々の医師の勇気と良心にゆだねるのではなく、そのような医療の原則と制度を勝ち取らなければならない。待っていても権力は与えてくれない。


民有国営医療の未来

 医療の民有国営の危険性と弊害を認識するのは、そのまっただ中にいる日本人には難しい。医療の安全性、有効性の判断をなぜ国が独占しなければならないかという疑問など夢にも起こらない。しかし例えば米国は医学ジャーナリズムや学会などが独自に判定したり、保険適用も国家機関のFDAとは異なる。当然、混合診療禁止という考え方など不合理で根拠がないとして拒絶される。
 米国の民間保険を日本では儲け主義と悪くいうけど、大半の米国人は民間保険である。では彼らは不満だらけのはずだが、オバマの公的保険導入に反対したのは彼らである。儲け主義なら給付と負担に問題が生じるはずである。
 かれらは貧困者医療の救済以上に医療が国営になることの危険性と弊害を十分理解しているのである。そこには国家権力に対峙してはたらく自由で健全な自立精神、民間精神が根付いている。実際、米国の医師の自律性は高い。医療費は高いが治療だけでなく予防にも民間保険は使える。OBも含めた社員への企業のリーガル・コストは日本企業の比ではない。日本人は自分を基準にした恣意的な想像で米国を見ているのではないか。  
 しかし、私は米国の方がいいとか米国のようになるべきだなどといっているのではない。そこには日本人の嫌いな無保険者や医療難民があふれている。どのような医療制度にも一長一短はあり、どれを選ぶかは国民の意思である。
 ただ私は、ガチガチに管理された民有国営形態を続ける日本の医療に未来があるとは思えないので、患者の治療への自己決定権と医師の医療への裁量権を原則的に認めるべき時代に来ていると考えるのである。
 それはたとえば、現在の民有国営の医療体制を基本的に維持しながら、自由診療との併用を原則的に容認するという民営的要素を取り入れることである。そんなことをすれば国民皆保険制度が崩壊するという行政や医師会の主張は嘘である。
 保険外併用療養費制度は公認の混合診療であり、歯科では混合診療が日常広範に行われているが、国民皆保険制度に何の支障もない。さらに国民皆保険制度と混合診療を両立させている先進国もある。
 また、重症のがん患者、難病患者など時間と戦っている命にとって、保険承認はその治療を必要とする患者にはつねに後追いで、大きなタイムラグが生じる宿命にある。医療の進歩に民有国営の今の保険医療制度がタイムリーについていくことは不可能である。その解決の手段の一つが、患者の自己決定権と医師の裁量権を解き放つ混合診療の原則解禁である。




今週のニュース

●厚労省、3月11日に第12回がん対策推進協議会
●第6回21世紀漢方フォーラム「漢方 鍼灸を活用した日本型医療の実現に向けた具体的対応」
●未病」「予防」教育に取り組む予防薬効研が設立/3月18日にセミナー


<登録方法>
本ページ上部のアイコン「もっといい日ニュース」をクリックして、必要事項を記入のうえ、ご送信ください。毎週1回、最新情報をメールで配信いたします。




『週刊がん もっといい日』編集部がお薦めするBOOK


地図、絵、グラフを用いて分かりやすく解説した
『がんの世界地図』

 多発するがんの予防の必要性が指摘されていますが、このほど「治療よりも予防が大切」「遺伝因子よりも環境因子の方が大きい」「生活習慣も発症に関与する」といったことを、地図、絵、グラフを用いて分かりやすく解説した『がんの世界地図』が丸善から刊行されました。
 ジュディス・マッカイさん(タバコ制圧アジアコンサルタント事務所:香港)、アーメディン・ジェマルさん(アメリカがん協会:アトランタ)、ナンシー・C・リーさん(米国疾病予防管理センター:アトランタ)、D・マクスウェル・パーキンさん(オックスフォード大学:英国)の共著。訳は千葉百子さん。
 同書は、地図もグラフもすべてカラーで、世界のがん負担を図示し、その負担に取り組む努力を記述したもの。歴史的なハイライト、将来の予知など有益な情報源が盛り込まれています。
「抗がん活動の波は、全世界のがん征圧に貢献している多くの成功した戦略を展開してきた。そして本書は、これらの幾つかの成功に光をあてている。そのなかには、がん登録、先進・発展途上両国における研究努力:予防におけるブレークスルー:早期発見と治療、及びがんの影響を受けた人々の生活改善がある」(著者たちのまえがきから)

定価は本体2600円+税。発行元は丸善(03-3272-0729)。



10年2月26日更新内容 全記事は
こちら

☆☆☆「週刊がん もっといい日」VOL.195☆☆☆

常塚宣男医師
連載・第二弾

生きるための緩和ケア最前線
―“がん治療と積極的疼痛管理”のすすめ

第11回目
『胸部外科医から見たがん性
疼痛コントロールの重要性』
“痛みを取ること”はがん治療の最重要課題――
手術の痛みも含めた疼痛除去に積極的に取り組む

取材協力:常塚宣男医師
(石川県立中央病院呼吸器外科診療部長)

常塚宣男(つねづか・よしお)医師
1965年京都府生まれ。91年金沢大学医学部卒業。96年同大学院医学系研究科博士課程修了。石川県立中央病院、金沢大学附属病院、独・フライブルク大学胸部外科等を経て、2006年より石川県立中央病院呼吸器外科科長。08年より同診療部長兼内視鏡室次長。

 がんの痛みというと、骨や筋層、神経への浸潤によっておきる痛み、と思いがち。しかし、それ以外にも痛みはある。外科的手術によってできたキズの痛み、すなわち「創痛」だ。「創痛も含めて、がんに関連する痛みはすべて取るべきだし、痛みを完全に取り除くことが治療の土台となる」と語るのは、金沢市にある石川県立中央病院呼吸器外科部長の常塚宣男医師。オピオイド(医療用麻薬)のなかった時代なら別だが、確実に痛みを取ることができる現代において、「痛みがあるのにそれを使わないのは、意味がないことだしもったいない」と話す常塚医師に、胸部外科医から見たがん性疼痛コントロールの重要性を語ってもらった。


がん性疼痛も創痛も“まずは取ること”が大事
QOL向上だけでなく治療全体に追い風となる


 常塚医師が率いる石川県立中央病院呼吸器外科では、肺がん手術において特に胸腔鏡手術に力を入れている。同科では昨年一年間で約270例の全身麻酔手術、173例の原発性肺がん手術を行っているが、じつにそのうちの四分の三が胸腔鏡による低侵襲手術。しかし言い換えれば、残る四分の一はパンコースト腫瘍(肺尖部にできる痛みの強いがん)などに代表される大掛かりな開胸手術であり、そこには当然「切開部の痛み」が残る。
 「外科医の中には『創痛はがんの痛みではないので、それに強い痛み止めを使うべきではない』という人もいるが、私はそうは思わない。がんがなければ手術もしないで済んだわけだから、創痛も含めて“がんの痛み”と考えるべき。痛みを区別するのではなく、痛みがあるならまずは取り去るのが我々医者の仕事でしょう」と笑う。
 実際に、がんの痛みも創痛も、消えれば患者のQOLが高まるだけでなく、治療に対して積極的な姿勢を取ることができる。疼痛緩和がすべてにおいて追い風になることを、経験的に知っているからこその笑顔なのだ。
 一般的に進行肺がんや再発肺がんの痛みは骨や胸膜などへの転移によるもの。痛みは体壁に出ることが多く、「肺から肺へ」といった臓器転移の場合は痛みは出にくいという。しかし、骨転移なら痛みが必発かというとそうでもない。
 「PETで骨転移と診断されても痛みがない人もいる。転移による痛みを訴える人は全体の7割ほどで、痛みの出方にも個人差がある」と常塚医師。中にはがん性疼痛と気付かずに「齢のせい」と考え、マッサージなどで凌いでいた人もいるという。これは取りも直さず、がんの痛みは元気に日常生活を送れる段階でも出ることを意味しており、ここで確実に痛みを除去すれば、快適な生活と積極的な治療が可能だということを示唆している。
 早い段階からの疼痛緩和の必要性を裏付ける話といえよう。


がんの痛みは虫歯の痛みと同じこと
痛いままでの質の高い治療は難しい


 がん性疼痛のコントロールは、基本的にはWHOラダーに沿って行われる。つまり、初めはNSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬)を使い、痛みの出方によってオピオイド(医療用麻薬)を重ねていくというアプローチだ。しかし、実際には骨転移のある人は、その時点でNSAIDsが処方されているケースが大半であり、事実上の疼痛緩和は最初からオピオイドによって始まるといっても間違いではない。
 一方、先にも触れた創痛が強い場合は、初めから積極的にオピオイドを使うことになる。
 「切開部が大きいとNSAIDsでは効果が薄く、オピオイドに頼らざるを得ない。しかし、創痛は2−3カ月で治まるので、その時点でがんの痛みが小さければ一度オピオイドを止めることもある」(常塚医師)
 もちろん、胸腔鏡手術でも痛みの出方は千差万別。特に胸腔鏡を挿入する部位には肋間神経が走っているので、人数は少ないものの、人によっては強い痛みが出るケースがある。その場合も常塚医師は躊躇することなくオピオイドを使って、「まずは痛みを取る」ことを優先させる。
「がん治療において“痛みを取ること”は最重要課題と言ってもいいほど大事なこと。たとえば虫歯で歯が痛む、あるいは自転車でころんで擦り剥いても、痛みに意識が行って仕事が手につかなくなるのと同じで、がんの痛みに耐えながら質の高い治療をするなんて無理な話なんです。まずは痛みを取ることから始めるべき」
 こうした「痛みを取ることの重要性」は、単にQOLを高めるだけのことではない。治療効果促進という面でも見逃せない側面があると常塚医師はいう。
「術後は歩くことで痰が出やすくなるので、なるべく歩くように指導していますが、それでも寝てしまう人がいる。理由は『痛いから』。この時点でNSAIDsは処方されているので、そこにオピオイドを追加すると、痛みが消えて歩けるようになる。全体的に状況は好転することになるんです」
 もちろん化学療法やリハビリをする上でも痛みがないほうが積極的に取り組めるので、いきおい治療効果も高まることになる。まさに「生きるための疼痛緩和」なのだ。


貼付型医療用麻薬の登場で状況は好転
急がれるのは患者側の意識改革――


 7年前にドイツに留学した時に、がん治療における疼痛緩和の重要性を目の当たりにしたという常塚医師。日本に帰ってからは特に痛みを取ることに重きを置いた治療姿勢を鮮明にしてきたが、当時は日本で使えるオピオイドの種類も少なく苦労したという。しかし、最近はオピオイドの種類が増えたので、患者はもちろん医療者にとっても利便性は高まっているという。
「特にパッチタイプのオピオイドの登場が状況を大きく変えた感がある。副作用として便秘を起こすことが少ない上に、3日に1回の交換で済むので使い勝手がいい。またほとんどの患者は痛み止め以外にも色々な経口薬が出ている中で、“パッチ”という形状から“特別なもの”という意識が湧くようで、忘れることがない点でも便利です」
 つまり、がん性疼痛に対する医療側の環境整備はほぼ整ったといえる現在、あえて課題点として常塚医師は「患者側の“疼痛緩和”に対する理解不足解消」を挙げる。
 同院では“麻薬”という言葉に拒否反応を示す患者は少ないという。“医療用”という冠が付くことで安心するのだろう。しかし、多くのがん治療医が悩んでいるのと同じく、常塚医師も「痛みを我慢する患者」の存在を前に、憐憫の情を隠せないでいる。
 「検査結果から見て、どう考えても痛みがあるはずなのに隠そうとする。あるいは大きな手術をしたんだから痛くないほうがおかしいのに、『せっかく手術してもらったのに、痛いなんて言ったら申し訳ない』なんて遠慮する人もいる。そのベースには“我慢は美徳”という日本人特有の道徳観があるだけに、本当に気の毒になってきます」
 がんの痛みを積極的に取ることの有用性と安全性が医療消費者に浸透しきれていない現状で、最も解消が急がれる問題といえるだろう。
 「自分からは言いにくいけれど、訊かれれば答えるという感じです。医療者側から問いかけることが大切ですね」と常塚医師。患者と医師のコミュニケーションの深さが、医療の質を大きく左右するのだ。
 痛みがあるならまず取ることからがん治療は始まる――という、海外では当たり前の考え方が根付いた時、日本のがん治療の水準は本質的にも「世界レベル」となる。供給側の医療界では、急速にその認識は普及している。いま最も求められるのは、医療を受ける側、患者側の“意識の変化”なのだ。


石川県立中央病院
石川県金沢市鞍月東2-1
電話076-237-8211

http://www.pref.ishikawa.jp/ipch/

取材・文◎医療ジャーナリスト・長田昭二
1965年東京生まれ。日本大学農獣医学部を卒業後、出版社勤務を経て2000年よりフリー。新聞、雑誌を中心に医療記事を執筆。著書に「病院選びに迷うとき 名医と出会うコツ」(NHK出版・生活人新書)他。日本医学ジャーナリスト協会会員。


------------------------------------------TOPに戻る


Copyright 2001 Japan Medical Information Publishing, Inc. All Rights reserved.