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『週刊がん もっといい日』編集部(株式会社日本医療情報出版)
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週刊がん もっといい日
2012年Vol.298
5月17日更新
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がんの予防、治療、再発防止に役立つ
がん情報サイト「週刊がん もっといい日」
毎週木曜日の更新です! |
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昨日(5月16日)から上海に来ています。政治都市の北京には年に数回来ていますが、上海は3回目。前回は2年前の上海万博(2010年)でした。わずか数日のことではありましたが、とてつもなく活気のある都市であったことを覚えております。
あれから2年、相変わらず上海の町中は、経済都市として躍動感があり、道行く人々はとても忙しそうでした。上海訪問の目的は、日本企業で上海に事務所を構え、さまざまなビジネスに取り組む経営者、中国のチェーンドラッグ企業(現地では連鎖葯店)に多くの人脈を持つ中国人の経営者、通信販売企業の経営者等々・・・情報交換と親交を深め、そして提携企業の国際部スタッフとともに昨年(2011年)から企画し進めているレポートづくりのための取材です。
私自身の通常業務は、がん患者さんと家族、医療関係者、患者会などの取材が中心ですが、時折、企業から中国進出のことを依頼されて中国を訪れることがあります。
今年(2012年)3月には北京を訪問しました。60歳以上の人口が1億6000万人、65歳以上が1億1000万人を超える中国の高齢者対象ビジネスの現況を調べるものでした。引き続きアメリカ(ロサンゼルスとラスベガス)で在宅医療関連用品の展示会視察、日系人が多く住むリタイアメント・ナーシングホームやシルバーコミュニティ、糖尿病専門ファーマシーを見る機会がありました。
海外取材は今年だけで3回目。2011年にはハワイとドイツ、中国の長沙と北京、2010年、2009年と、どれほどの人々にお会いしたでしょうか。1969年にスタートした記者生活は43年目。流通記者として、在宅医療・介護分野、縁があって、がん専門記者として月刊誌『月刊がん もっといい日』で、生きるための緩和ケアについて、医師・歯科医師・看護師・薬剤師、介護福祉士、がん患者さんと家族にも取材しました。
記者とは、「記すヒト」。そのためにも、多くの人々と会い、真実を報道することを心がけてきましたが、がん療法も日々、変化しています。常に最新情報を身につけておかねばなりません。通常の取材活動のほか、研鑽を怠ることは出来ません。ですから当然、研鑽は夜(19時から21時まで)になってしまいますが、製薬企業主催のセミナーは19〜20時ごろまで。とても助かっております。
さて今週もまた、皆様にとって「もっといい日」でありますように・・・。
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| 「もっといい日」図書室からのお願い! |
がんの治療法(手術療法、化学療法、放射線療法、免疫療法、補完・代替療法など),食事療法、闘病記等々、がんに関する推せん書籍を、ご紹介ください。
皆さまが、最近読まれた書籍で、患者さんや家族の方々に、ぜひ読んでいただきたい書籍を、「もっといい日」図書室まで、下記の要領でお知らせください。
<お知らせいただく項目>
(1) 書籍名(2)著者と筆者の所属先及び連絡先(住所、電話番号)(3)発行出版社(住所、電話番号、メールがあればアドレス)(4)価格(5)簡単な紹介文(400字以内)(6)あなたさまの氏名、住所、連絡先(仮名も可)
送付先E-mail:yamamoto-iihi@gekkan-gan.co.jp |
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がん関連書籍を紹介した『もっといい日 図書室』をご利用ください
がんに関する書籍が、相次いで出版社から刊行されていますが、「うっかりして買い忘れた」「知人から聞いた」「確か新聞や雑誌で紹介されていた」等々、入手できなかったというケースは少なくありません。
そこで『週刊がん もっといい日』編集部では、がん関連書籍の発行先、著者の連絡先がわかる、『もっといい日 図書室』を開設いたしました。
リストには、書籍名、発行元(出版社名・連絡先)、著者(著者の専門部位・所属先・連絡先)を掲載しておりますが、ただし著者の所属先及び連絡先が変更になる場合もありますので、ご了承ください。今後、がん関連の書籍リストは、随時、追加していきます。
『もっといい日 図書室』の閲覧は、トップページ上部の「もっといい日 図書室」をクリックしてください。
☆☆☆「週刊がん もっといい日」VOL.298☆☆☆
満開だった病院駐車場の桜も、いつしか葉桜となり窓の外は新緑に包まれております。仮設住宅に向かう道中のガレキ置き場も緑が茂り、さながら古墳のようです。
南相馬市に常勤医として赴任してから6ヶ月になります。私なりに感じている、仮設住宅で今も起きている問題について皆様にご報告させて頂きます。
年明けに一人の高齢女性に出会いました。彼女は、昨年末に我々が行った全戸訪問のスクリーニングで要再訪問となっていた方でした。ご自宅の内扉をノックしお名前を呼ぶと、中から元気な声でお返事がありました。
ところが、待てど扉が開きません。心配して待っていると、暫くしてゆっくりと扉が開きました。私は自分の目を疑いました。彼女は家の中で這って暮らしていました。
ことの顛末はこうでした。仮設住宅に引っ越して来てから数日後、夜間に慣れない家の中で転倒したそうです。はじめは右足の付け根が腫れていましたが、それも引いて来たので様子を見ていたと。なんとか坐位はとれるので食事や排泄はできているが、移動はこの通り這っている、とのことでした。我々はすぐに各医療資源につなぎ、現在ではリハビリの成果もあり杖歩行可能なまでになりました。
震災後の屋内退避を経て、避難所を転々とし、やっと落ち着いた仮設住宅でしたが、彼らの想像以上に骨量、筋力は低下していると推察されます。彼女自身もそうでしたが、これまで農業や漁業に従事し、毎日働いてきた元気な高齢者が、職を失い活動量が低下したことにより、こういった事故のリスクは高まっています。
彼女自身の「こんなところで転ぶとは、とても思わなかった」という言葉からも分かるように、自分たちができる、あるいはできていたことが、今はできなくなってきているのが現状です。もちろん加齢に伴う変化はあると思われます。しかしながら、この一年の急速な生活様式の変化は無視することができません。男性についても、同じことが起きています。震災前、多くの方は現役の一次産業の担い手でした。
しかし、原発事故の影響で仕事再開の目処は立たず、車がある方はパチンコに勤しむ日々です。私が赴任してからの半年で、少なくとも2店舗パチンコ屋が新装開店しました。
この問題に対するアプローチとして、現状評価と介入が必要と考えます。当院のリハビリテーション科のプロジェクトとして仮設住宅居住者の活動量評価を始めました。活動量計という万歩計のような装置を用いて、日々の生活でいかに動いていないか客観的数値を示そうとするものです。また今後、骨量の変化という意味では骨粗鬆症に対するスクリーニングも有効かと思います。
アセスメント後に介入対象者が明らかになった段階で、いくつかのアプローチが可能かと思います。当院のリハビリテーション科では、すでに動き出しておりますが、高齢者が自分たちでもできる運動指導を行っております。理学療法士による仮設住宅での運動指導を今後も進めて参ります。
しかし、本当に問題なのはADLが低下し動けなくなりつつある方々です。こういった方々の、積極的な集会所での活動への参加は望めません。我々は現在、訪問リハビリステーションの設立に向けて動き出しております。震災後、南相馬市には訪問リハビリを行っている施設はありません。
日本理学療法士協会と連携しながら、特区法に基づいて病院とは独立した訪問リハビリステーションを設立すべく、県、復興庁に申請を行っております。協会の半田会長に全面的にご支援を賜りながら、早期実現を目指して参ります。
また、現状ではADLを維持してはいるものの、活動量が大幅に低下している予備軍の方々が大勢います。これらの方々には、activityの機会の提供が必要と考えます。パークゴルフでも折り紙サークルでも草取りでも除染でも構いません。
活動に参加してもらうにはincentiveが必要です。まだ企画立案の段階ですが、なにかこういった活動に参加して頂くなかで共通のポイントが貯まるシステムを考えたいと思っております。夏休みの終わりに、スタンプがびっしりと押されたラジオ体操の出席表に感じた満足感が、発想の原点です。NFCや磁気カードを用いて何かできないか模索しております。
複数の新たなcommunityの創成は、高齢化社会の諸問題に対する一つのsolutionと考えます。より発展させて、このカードにひも付けした各病院共通の診察券の機能を持たせたり、ICチップを乗せ、年齢、氏名、既往歴、内服薬、かかりつけ医、advance
directive(Living Will)などの情報も盛り込めるかもしれません。
「百姓は歩けなくなったら、おしめーだ。」そういった彼女の言葉が心に残っています。寝たきりの高齢者を可能な限り少なくするためには、今一歩踏み出す必要があるかと存じます。今後とも、ご報告致します。 |
「官邸かわら版」
今週のニュース
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NPO在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワークが5月20日
『在宅療養最前線〜在宅医療には社会を変える力がある』テーマに
全国の集いin高知2012愛媛プレ大会 |
Online Medニュース
http://www.geocities.jp/onlinemedsante/
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☆☆☆「週刊がん もっといい日」VOL.297☆☆☆
的確な痛みの把握と安全性の高い疼痛管理で
理想的なターミナルケアの姿を追求する―― |
| 東京厚生年金病院(東京都新宿区)緩和ケア科部長 川畑正博医師 |
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川畑正博医師
1953年鹿児島県生まれ。東京大学工学部から同大学院電子工学専攻修士課程、同医学部を経て同大学病院第一内科入局。米・ヴァンダービルト大学に留学した他、癌研究会附属癌研究所、東京厚生年金病院内科に勤務し、2003年から現職。医学博士。日本緩和医療学会暫定指導医。
■財団法人厚生年金事業振興団東京厚生年金病院
東京都新宿区津久戸町5−1
電話03-3269-8111 |
全国的に不足状態が指摘されている緩和ケア病棟。都心といえども状況は同じで、現在「山手線の内側」で緩和ケア病棟を持っている医療機関は四施設(NTT東日本関東病院、東京厚生年金病院、東京都立駒込病院、日本赤十字社医療センター)だけだ。その一つ、東京厚生年金病院の緩和ケア科部長を務める川畑正博医師は、豊富な知識と経験、そして温厚な人柄もあって、多くの医療関係者からリスペクトされる人物だ。理想的な緩和ケアの在り方を追求し、日々努力を重ねる川畑医師に話を聞いた。
“コミュニケーション重視”を追い求め
工学部から医学部、そして緩和ケアへ
医師としてのデビューは決して早くはない。エンジニアをめざして東大工学部に進み、その後大学院で修士の学位まで取得している。しかし、「人と接する仕事がしたい」との思いから一念発起で医学部に入り直した苦労人だ。その苦労が、人を労わる気持ちを育み、いま患者の気持ちを和ませている。
最初から緩和ケアを専攻していたわけではない。そもそも当時の日本の臨床分野には、終末期医療に特化したセクションはなかった。消化器内科医として、特に肝臓疾患の診断と治療の分野で実績を重ねてきた川畑医師だが、のちに勤務する現在の病院に緩和ケア病棟が新設されるという話を聞いて、自ら希望して現在のポジションに就いた。
自身の母をがんで亡くした経験を持つ。病床で苦しむ母に、あとで思えば不必要な検査をさせたことを悔やむ気持ちから、「緩和ケアという医療技術がある現在、せめて人生の最期は安らかに過ごしてほしい」という思いに突き動かされての異動だ。
「緩和ケア病棟に来た当初は、次々に患者さんが亡くなっていくことに対して私自身が精神的にマイってしまうこともありました。ただ、多くの患者さんを看取っていく中で、死を自然なものとして受け止めることができるようになってきた。今では、苦しむことなく安らかに人生を全うされる患者さんの最期に立ち会えると、この仕事を選んでよかったとしみじみ思いますね」
最期を託した医師に、そう思って看取られる患者も幸せなはずだ。
多角的な評価法を駆使して
より確実な“痛み”の評価へ
この欄でも繰り返し伝えてきたが、がん性疼痛のコントロールをする上で最も高度な技術を必要とするのが、患者の痛みを的確に把握、それに見合った投薬をすることだ。痛みに対して我慢強い患者もいれば、僅かな痛みや違和感を実際以上に拡大して表現する人もいる。
「痛みの評価には、痛みの性質を見る“質的評価”と、鎮痛薬が効いているかどうかを見る“量的評価”の二つがあります。まずは質的評価から痛みの原因を推察し、原因に見合った薬を選んで投与しますが、一方で量的評価を誤ると効果的な疼痛管理ができなくなる。これには視覚的アナログスケール(VAS)、言語表現評価尺度(VRS)、数値評価尺度(NRS)、表情評価尺度(FS)などの評価法があり、これらを状況に応じて複合的に勘案しながらより実態に近い痛みの質と量を把握していくことになります。中でもNRS(まったく痛みのない0点から耐え難い激痛の10点までの十段階の中で、現在の痛みは何点に相当するのかを患者自身に示してもらう評価法)は、特別な道具を使わずにベッドサイドで簡単にでき、また個人差を気にせずに評価できることもあって便利です」
こうした評価結果から導き出された薬剤の選択と投与量によって、現在ではがん性疼痛の大半を安全かつ確実にコントロールすることが可能になっている。「苦痛だけの終末期」は、もはや過去のものとなりつつあるのだ。
ターミナルケアはチーム医療――
総合力を結集して安らかな看取りを実現
ターミナルの患者の苦痛は、身体的痛みだけではない。近付く死への恐怖から、精神的苦痛に苛まれる人も多く、緩和ケア医には慎重なメンタルケア能力が求められる。
「傾聴が最も重要な位置づけになりますが、その際に話の内容もさることながら、患者さんの“感情”に焦点を当てて耳を傾けることが大切だと思っています。話したいことを確認し、時には話を促す言葉をかけるなどして、自分の気持ちを話すことで楽になれるようサポートしていきます。こちらからの質問も、YESかNOかで答えるものではなく、“開かれた質問”をすることで患者さんの心の中にある“微妙な気持ち”や“繊細な動き”を汲み取るきっかけができる。また、話しかける際には単に言葉だけに注意するのではなく、自分の表情や声のトーンなどにも意識を向けることも大切です。そうしながら様々な情報を元に患者さんに共感し、ともに人生を振り返りながら意味付けをしていく――」
文字で書くのは簡単だが、誰にでもできることではない。知識と経験、そして何より患者に寄り添おうとする大きな気持ちが、極限状態にあるはずの患者に安らぎを与えるのだ。
「私たち医師も努力していますが、看護師さんの役割が非常に大きい。医師には言えないことでも看護師さんになら話せるということはあるものです。プロ意識を持って患者に寄り添ってくれる彼女たちに助けられることも多い。こうした医療者同士の職種間の垣根を越えたチームワークの良さは、厚生年金病院の伝統でもあり、最大の“ウリ”と言えるのかもしれません」
高い専門性とチームとしての総合力を結集して、がん患者のあらゆる苦痛の除去に取り組む。理想的なターミナルケアを考えるうえで、川畑医師の挑戦は患者にとっても医療界にとっても参考になるはずだ。 |
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