|




このホームページに関するご意見・お問い合わせはyamamoto-iihi@gekkan-gan.co.jpまで
〒113-0034
東京都文京区湯島3-36-3
歌川ビル4F
『週刊がん もっといい日』編集部(株式会社日本医療情報出版)
TEL.03-5688-7816
FAX.03-5688-7803
|
 |
 |
|
|
 |
週刊がん もっといい日
2012年Vol.285
1月26日更新
|
|
がんの予防、治療、再発防止に役立つ
がん情報サイト「週刊がん もっといい日」
毎週金曜日の更新です! |
がん情報サイト「週刊がん もっといい日」は、がんの予防、治療、再発防止に役立つ情報を、毎週1回、お届けしております。更新は、毎週金曜日です。
また、同時にがんにかかわるニュースをメールマガジンで提供しております。ただしメールマガジンのニュースをご覧いただくためには、次の手続きが必要になります。
*ニュースの購読は、メールマガジン「週刊もっといい日ニュース」(無料)への登録が必要です。
*登録方法は、本ページ上部のアイコン「もっといい日ニュース」をクリックして、必要事項を記入のうえご送信ください。毎週、ニュースを配信いたします。
|
|
| 膵神経内分泌腫瘍に罹患し分子標的治療薬の治験に参加した患者さんの話 |
1月24日に開催されたセミナーに、膵神経内分泌腫瘍に罹患し分子標的治療薬の治験に参加した患者さんが登場。症状が発生した際の状況、医師から「がん」と宣告されたときの不安感、治療の過程などについて話しました。
「2005年3月、左腰の一部が痛みはじめ、8月になると、仰向けが出来なくなり整形外科や整体に通ったものの、痛みは良くなったり悪くなったりの状態が1年間続きました。その後、痛みがひどくなり、2006年8月には階段の上り下りが出来なくなり、家事も出来なくなり生活にきたすようになりました。この間、血液検査を受けましたが何も異常なしとのことでしたが・・・」
しかし痛みは、その後も続いたために整形外科でMRI検査を受けて「外科的要素が原因ではない」として内科を紹介され、当の内科医から総合病院を紹介されました。同病院で組織検査をして初めて「すい臓がん」と宣告され、同時に骨転移、リンパ節などに転移し手術不能とされ抗がん剤治療を始めたのでした。
そして、この患者さんが診断された病名は「膵神経内分泌腫瘍」。聞きなれない病名ですが、昨年10月、米アップル社会長のスティーブ・ジョブさん同じ病名に罹患していたことが分かり世界中に知られることになりました。
セミナーで、患者さんは第三層の治験に参加する機会を得て、今日まで継続しているそうですが、当初は、「未承認薬であること」や「副作用」のことで不安に感じていたそうです。しかし治験に参加するにあたって、副作用が予測できること、なにか疑問があれば即専門医が理解するまでサポートすることを聞き不安感は一掃。これまで服用を続けてきた過程で副作用が生じましたが、専門医のアドバイスもあって安心して治験を継続することが出来たことを患者さんは話していました。
診療を受ける患者さんと家族誰しもが、医師が話す一言一言が闘病生活をするための糧になります。本欄で何度も何度も紹介させていただきました私の母も、そうでした。どんなに具合が悪くても、信頼する医師の診察を受けると、青い顔がピンク色に変わっていました。背中を丸めていた母親が、診療後、人が変わったように背筋がきちんと伸び、笑顔で診察室から出てくる光景を何度も見ました。
セミナーで自己の体験を話された患者さんも、治験を始める前の不安感を一掃したのが、「疑問があれば理解するまで説明してくれる医師」がいたからでしょう。
昨年は「絆」の重要性が叫ばれましたが、医師とメディカルスタッッフ、患者と家族との絆は、これからも固く結ばれ、多くの患者さんが希望をもち、病に打ち勝つことを願っています。
さて今週もまた、皆様にとって「もっといい日」でありますように・・・。
|
| 「もっといい日」図書室からのお願い! |
がんの治療法(手術療法、化学療法、放射線療法、免疫療法、補完・代替療法など),食事療法、闘病記等々、がんに関する推せん書籍を、ご紹介ください。
皆さまが、最近読まれた書籍で、患者さんや家族の方々に、ぜひ読んでいただきたい書籍を、「もっといい日」図書室まで、下記の要領でお知らせください。
<お知らせいただく項目>
(1) 書籍名(2)著者と筆者の所属先及び連絡先(住所、電話番号)(3)発行出版社(住所、電話番号、メールがあればアドレス)(4)価格(5)簡単な紹介文(400字以内)(6)あなたさまの氏名、住所、連絡先(仮名も可)
送付先E-mail:yamamoto-iihi@gekkan-gan.co.jp |
|
がん関連書籍を紹介した『もっといい日 図書室』をご利用ください
がんに関する書籍が、相次いで出版社から刊行されていますが、「うっかりして買い忘れた」「知人から聞いた」「確か新聞や雑誌で紹介されていた」等々、入手できなかったというケースは少なくありません。
そこで『週刊がん もっといい日』編集部では、がん関連書籍の発行先、著者の連絡先がわかる、『もっといい日 図書室』を開設いたしました。
リストには、書籍名、発行元(出版社名・連絡先)、著者(著者の専門部位・所属先・連絡先)を掲載しておりますが、ただし著者の所属先及び連絡先が変更になる場合もありますので、ご了承ください。今後、がん関連の書籍リストは、随時、追加していきます。
『もっといい日 図書室』の閲覧は、トップページ上部の「もっといい日 図書室」をクリックしてください。
☆☆☆「週刊がん もっといい日」VOL.285☆☆☆
●はじめに
筆者は3.11の東日本大震災を機に、故郷である福島県内で復興支援を行いたいと思い、昨年6月から星槎グループ世界こども財団の支援を得て、相馬市で被災者への心理社会支援を行っている。本稿では、筆者の専門とする社会構成主義的アプローチから被災地支援を考えていきたい。
筆者の支援において、一つの大きな目標がある。それは数十年後に“「震災と原発事故のせいで人生が台無しになった」ではなく、「震災と原発事故があったけれど、ここまで自分なりに何とかやってきた」というナラティブを作る”ことだ。この目標を実現するためには、次の3つが重要だと考えている。
一つ目は、「原因探し(つくり)」ではなく「解決探し(つくり)」を行うこと。二つ目は、各自の力やリソースを生かすこと。三つ目は支援者が新たな問題を作り出さないこと、である。
心理的危機介入におけるバイブルともいえるサイコロジカル・ファースト・エイド(PFA)では、援助者が行うことは「被災者に直接役に立つ情報の提供」「現実的な問題の解決」「日常生活を取り戻すための支援」などであり、「被災者全てがトラウマを抱えている」などと援助者が勝手に決めつけて行動することを厳に戒めている。
一つ事例を紹介しよう。なお、事例は許可を頂いた上でアレンジしてある。
●震災の影響が疑われたパニック事例
小学生の子どもの母親からの相談である。子どものパニック(かんしゃくと夜驚)がひどいという。母親は「余震が怖いのではないか、放射線への不安もあるかもしれない」とのこと。そして、それらの行動が始まると母親は子どもに寄り添い、背中をさすり、落ち着くまでそばにいるという。
さらに丁寧に聞き取りを続ける。すると大人がいない場面(例えば、登下校中・トイレ・留守番時)にはパニックになっていないことも分かった。その上で「お母さん、お子さんが『そろそろパニックになりそうだ』という予兆はわかりますか」と聞いたところ。母親は首をひねり「わかりません」と答えた。
そこで、「一週間後の面接までにパニックになりそうな予兆を確かめること」そして、「お母さんが背中をさすることでどれだけパニックの時間が短くなるか知りたいので、パニックになっても背中をさすらないで見守る場面を一度作ってほしい。そばにいると何かしたくなると思うので、隣の部屋に移動してもよい」と依頼した。
翌週の面談、母親は「パニックになる予兆はわかった。そこで、その予兆が出た時に背中をさすらないように私が別な部屋に移動したら、娘が落ち着きました。それ以来、予兆が出たら部屋を離れるようにしています」とのこと。母親の機転のきいた対応に驚き、今後も続けるように助言をした。
その上で「パニックにならなかった日は寝る前にいつも以上にスキンシップをしてあげてください」と伝えた。その後も面接を続けているが新たな問題はなく、母子ともに元気に生活している。震災や原発に帰属するような発言はない。
●問題探求ではなく解決構築
この事例は、ブリーフセラピーや認知行動療法(CBT)的な面接である。原因を探るよりも、問題が維持され続けている相互作用に焦点を当て、早期に解決した。
PFAにあるように現実的な問題の解決のために直接役立つ情報を提供(助言)した。支援する側としては、「余震が怖いのではないか、放射線への不安もかもしれない」という母親の言葉を重視しがちである。しかし、今、この母子が困っていることは「子どものパニック」なのである。パニックを解消しても不安が続くなら、そこで初めて不安について扱う支援をすればいい。不安ばかりに注目して月日が経ってもパニックが続いていたのでは本末転倒だ。
この事例から、もう一つわかることがある。それは、「現在困っていること(問題)」の有無によって原因が構成されていき、問題を解消することにより原因もなくなることもあるということだ。このような現象はよくある。
例えば、ひとり親家庭で貧しい幼少期を過ごした子どもがいたとしよう。もしその子が立身出世すれば、ひとり親家庭の貧しい幼少期のエピソードは美談となるし、非行に走れば悪の道に入る要因ととらえられうる。原因が結果を生むのではなく、結果が原因を作り出すのだ。出来事は事後的に意味づけられていく。
そう考えれば、「今は元気にしているけれど、心の傷は癒えていないはずだから、必ず問題が起きる」と影の部分ばかり注目するのではなく「大変な中でも、ここまではそれなりに乗り越えてきている」と光の部分に注目することが大切だ。
●心理社会的支援で重要なこと
被災地支援に限らず、心理社会的支援では「原因を探す(つくる)」のではなく「解決を探す(つくる)」ことが重要である。それは、いま出来ていることやこれから出来ることを明確化することでもある。
その結果、本人や家族の可能性を広げ、自尊心やモチベーションの維持向上にもつながる。(老若男女問わず)相談者は弱者ではなく、力強く生きる一人の立派な人間なのだ。専門家に依存させるのではなく、自律(自立)の支援を心掛けていきたい。
|
略歴:吉田 克彦(よしだかつひこ)
学校法人国際学園東日本大震災対策プロジェクト東北地区担当。相馬フォロアーチームスクールカウンセラー。
1977年福島県いわき市生まれ。10年ほど神奈川県内で学校臨床を中心に活動し、その傍らNPOにて不登校引きこもりに関する家族支援を行う。東日本大震災を機に、故郷福島県内での被災者支援に従事することを希望し、昨年6月から相馬市フォロアーチームで活動を開始。現在は、相馬市内の小中学校での学校臨床を中心に活動。<著書>小学校スクールカウンセリング入門(編著、2008、金子書房)、ブリーフセラピー講義(共著、2011、金剛出版)等多数。 |
今週のニュース
| ■ |
「膵内分泌腫瘍患者に大きな恩恵をもたらす」
伊藤九大大学院准教授、分子標的治療薬『アフィニトール』への期待語る |
| ■ |
がん対策情報センターが『患者・市民パネル』の募集開始 |
| ■ |
厚労省、2月1日に「次期がん対策推進基本計画(案)を
議題に第31回がん対策推進協議会 |
| ■ |
パンキャンジャパン、2月19日に日本初の
『NET(神経内分泌腫瘍)患者フォーラム』 |
| ■ |
切除不能な大腸がんの患者さんの一次治療以降も
「アバスチン」ベースの治療継続で生存期間が延長
ロシュ社、第III相臨床試験であるML18147試験結果公表 |
| ■ |
京大大学院医学研究科人間健康科学科が2月4日、「子どものコミュニケーション力をはぐくむために」テーマに小児在宅療養支援検討講演会 |
| ■ |
厚労省、3月7日に「アルコールシンポジウム」 |
官邸かわら版
http://kawaraban.kantei.go.jp/
Online Medニュース
http://www.geocities.jp/onlinemedsante/
<登録方法>
本ページ上部のアイコン「もっといい日ニュース」をクリックして、必要事項を記入のうえ、ご送信ください。毎週1回、最新情報をメールで配信いたします。
☆☆☆「週刊がん もっといい日」VOL.284☆☆☆
| 東日本大震災における被災地の現状と保健師の役割〜福島県相馬市での活動を通して〜 |
1.はじめに
2011年3月11日に発生した東日本大震災は、北海道沿岸部から千葉県までと被災地域が広範囲に及んだ。地震による被害はもちろん大津波による破壊力は想像を絶し、一瞬にして人も町も生活基盤もすべてを奪い去った。
さらに、福島第一原発の事故は、福島県のみならず国家的危機と呼ぶべき状況に発展し、放射能汚染による混乱は今もなお続いている。
私は中長期的被災地支援として、東京都健康長寿医療センター研究所より福島県相馬市へ出向し、子供の心のケアを目的に結成された「相馬フォロアーチーム」の保健師として6月より活動している。
相馬市の人口は約38,000人で、東日本大震災による死者は457人、行方不明者は2人という被害状況の中、6月17日には避難所を閉鎖し全員が応急仮設住宅や借り上げ住宅等へ入居した。
被災地はもちろん相馬市を訪れるのも初めてであった私にとって、保健師としてこの地でいったい何が出来るのか等と悩んでいる暇はなく、仮設住宅を一戸一戸訪問して相談活動を行ったり、学校訪問をして保健師のニーズを調査し、自らも被災していながら児童や生徒の為に必死で頑張っている教職員のカウンセリングを開始したりと、とにかく自分に出来る事なら何でもやろうという思いで毎日駆け回って来た。
そんな活動の中で、今回は仮設住宅の全戸訪問を通して見えて来たものを報告する。
2.応急仮設住宅入居者が抱えている問題
相馬市は、集落ごとになるべく同じ仮設区に入居できるように配慮されており、仮設住宅全戸に対して夕食の配食も行っている。また、訪問販売員がリヤカーを引いて毎日全戸を訪問している事等により、仮設での孤独死は今のところ防げている。
しかし、元々のご近所付き合いの関係から周囲との関わりを拒絶している方、家族を亡くして独居になってしまった方、震災の影響から鬱傾向となり閉じこもっている方も少なくない。
震災後、国内のみならず世界中から支援団体が仮設住宅を訪れ、集会所でのイベントを企画したり支援物資を配布したりして下さったが、前述のような孤立しがちな方はなかなかその情報を入手出来ず、ますます孤立してしまったり、集会所へ自ら受け取りに行かないといけないような支援物資は貰う事が出来ていないという現状がある。
また、相馬市の仮設住宅には原発による避難者も入居しており、家や家族を流されてしまった方と、家はあるが帰れない方との目には見えない壁が、仮設住宅支援を複雑化させている。
仮設住宅入居者の身体的な特徴としては、震災直後の精神的ショックや食糧難による体重減少と反対に、運動量や活動量の低下、およびストレスによる過食からの体重増加が挙げられる。
仮設住宅は周囲を山に囲まれた場所に多く、ちょっとした買い物も車で市街地まで出なくてはならず、通学も基本的にはスクールバスによる仮設住宅と学校間の送迎となっている。また、高齢者の多くは畑仕事を日課としていたが、仮設住宅に入居して体を動かす機会が無くなっている。
そんな状況の中、楽しみと言えば外食やおやつとなってしまい、子供に関しては、住居内で泣いたり騒いだりすると騒音トラブルになる為、すぐにおやつを与えてしまう親も多い。
精神的な特徴としては、津波による喪失体験の影響はもちろん見られるが、特に福島県特有の原発関連の影響が大きい。仮設住宅入居者の多くが漁業関係の仕事をしており、放射能の影響で漁業再開に目途が立たない苛立ちから飲酒量が増えたり、パチンコ通いをしている方も多い。
最近では宮城県や岩手県の漁港が復興している様子がメディアに多く取り上げられているが、そのニュースを見ると自分達が取り残されている気がするといった声も聞かれ、震災直後にあった「がんばっぺ!」の気力が途絶え、意欲低下の傾向が目立つ。特に、寒くなると寂しさが増すせいからか、冬になってその傾向が強く出ている。
農業関係の方も同様である。少なくとも現在の相馬市内の仮設住宅においては、一般的に報道されているような復興ムードは感じられない。また、東北の人は我慢強い等と言われているが、このような大災害を体験して平気な人などいる訳が無い。
ただ、今回の被災者の傾向として、家族を亡くしたか亡くしていないか、家を流されたか流されていないか等、被災の程度で必然的に順位をつけてしまい、私よりあの人の方がもっと辛いのだから弱音を吐いては申し訳ないと我慢している方が多い。
世代別の特徴としては、子供達に関しては、震災や放射能の影響で様々な制約を受けて生活しなくてはならない事に関連した問題が大きい。仮設住居内では、隣の部屋の声や物音が聞こえ易く、暴れちゃダメ、騒いじゃダメと怒られてばかりいる。
かといって仮設住宅敷地内は駐車車両でいっぱいの為、遊ぶスペースも無く、周囲の山は放射能が怖いからと立ち入りが制限されている。また、仮設区によっては同年代の子供がいない等もあり、子供の健全な成長に不可欠な「遊び」の場が減っている。
成人に関しては、収入が安定しない事による今後の生活や住居の不安、子供のいる家庭ではさらに養育費等の不安が大きい。また、子供達の問題と関連して、あれダメこれダメと子供を叱ってばかりいる自分にストレスを感じている方、放射能による子供への影響に不安を抱えている方も多い。こうした大人の不安定さというのは確実に子供達へも影響を及ぼしている。
高齢者に関しては、活動性の低下による影響が最も大きい。動かない事で筋力が低下し、ちょっとした移動も辛く感じる為に閉じこもりがちとなったり、畑仕事等の生きがいを失い鬱傾向となったりした事で、さらに閉じこもるという悪循環を招いている。
また、運動不足やストレスから血圧が上昇している方も多い。高齢者は他の世代と比較して、戦争を経験している事、あるいは放射能の影響がそれ程心配ない事等から、強くたくましく前向きに生きているという印象がある。
しかし中には、子供や孫を亡くし、自分が死ねば良かったのにとおっしゃる方や、今までは一人暮らしをしていたが、今回子供達家族と一緒に仮設住宅へ入居し、子供の世話になって申し訳ないから死んだほうがましだったとおっしゃる方がいる等、高齢者特有の問題もある。
3.保健師に求められるもの
今までの活動を振り返るとその内容は多岐にわたり、「なんでも屋」と言っても過言では無い状況であった。しかし、そもそも保健師というのはそういうものなのではないか。活動の軸となるのは、被災地に限らず保健師が日常的に行っている地域保健活動で、訪問による相談活動を通して個々の課題とニーズを把握し、心身の健康管理と生活環境の整備を目的とした各関係機関や他職種との連絡調整を行う事である。
その中で、被災地で保健師に一番求められるものは、なんと言ってもコミュニケーションスキルに尽きる。被災地支援は他地域から派遣された保健師が担う場合が多く、被災者に必要な支援を迅速かつ的確に判断する為にも、地域の方々とうまく信頼関係を築き、潜在化している問題をいかに引き出せるかが鍵となる。
被災地では様々な職種や団体が活動しており、その方達と被災者支援という同じ目的を持ったチームとして連携していく事で、被災者にとってより良い支援につながる。特に、保健師のマンパワー不足を補うものとして、被災者とより密に接しているボランティアの存在というのは重要で、気になる人がいればボランティアから保健師につないでもらうという連携は非常に有効的である。
次に求められるものとして、保健師の専門性を活かした包括的ケアが挙げられる。被災者支援というとどうしても心のケアに重点を置きがちであるが、身体面、家族状況、生活状況等全てが整わない限り、被災者の生活は成り立たない。
これら全てを多角的な視野でコーディネートするスキルが必要だと言える。その他、先に述べた「なんでも屋」とういう表現からも分かるように、私自身支援活動における柔軟性を求められた。時には子供達と思いきり遊んだり、支給された新しい家電の使い方をレクチャーしたり、電話の無い被災者の代わりに受診予約や家族との連絡を行ったり、被災者の生の声を聴いて今一番必要な物資の支援要請をしたり等も、保健師ならではの重要な支援だと考える。
4.おわりに
被災地支援という偉そうな言葉を使っているが、実際には自分の活動が本当にお役に立っているのか正直分からず、逆に相馬の方々から多くの事を学ばせて頂き、こちらが元気を貰っているというのが実情である。
仮設住宅は基本的に入居期間が2年であるが、福島県は原発問題もありなかなか先が見えないまま早1年が経とうとしている。今後長期化が予想される被災地支援において、支援者側の心身の健康管理も忘れてはならない。
いつか必ず復興を成し遂げる事が出来ると信じて、まずは身近な人達の笑顔を守って行きたい。 |
|
 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
------------------------------------------TOPに戻る
|
|
|
|
|